(1)からの続き


「クリスからのレターにも書いてあるとおり、我々には2つ選択肢があるの。一つは先ず薬で腫瘍を小さくする。腎癌の場合、薬がよく効けば腫瘍が小さくなって無くなる事もある。もう一つは原発巣を手術でとってしまうこと。原発巣をとると稀に転移している腫瘍も消えてしまうこともあるのよ。」

「薬で腫瘍を小さくすると言うのはキーモセラピーでしょうか?」と旦那さんが質問を入れる。

「キーモは腎癌には効かないの。腎癌にはイミュノセラピーを行うことになるわ。」
「どちらの方法を取るにしても、腫瘍の大きさから直ぐにどちらかの方法で治療を開始することになる。」

リサは真っ直ぐに私の目を見ながら、クリアで解かり易い英語で話しかけてくれる。

「coco(私の名前)、あなたはどうしたい?」

私の心は決まっていた。

「腫瘍は手術で直ぐに取り除いて下さい。これ以上私の体内に何かがあるのは耐えられません。」


「理解った。じゃ、ここからはクリスの出番ね。彼にそう伝える。直ぐに準備に取り掛かりましょう。」
「coco、今度会う時は手術が終わった後、サットンでね。」