コーヒーブレイク -49ページ目
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削り、終了!

今朝、川口淳さんから削り作業終了のメールをいただきました。本当にお疲れ様でした。
でもこれから、素焼き、釉がけ、本焼きと続きます。まずこれらの作品を作業所に運ぶだけでもドキドキです。
 3日間、ずっと座って作業していて、淳様きっと足腰が弱っているのではと余計な心配も出てきます。

コーヒーブレイク-削り完成
  

 川口さんとは、陶芸ギャラリー陶彩のころからのお付き合いです。写真は2009年の個展の作品です。


コーヒーブレイク-DM


 これだけの色絵があるのに、不思議に煩くないのです。
ランダムに書き込まれているようで、実は計算されていて、その余白がいきているのです。


以前はオブジェも作っていらっしゃいました。我が家の中庭の壁にも彼の作品「ゾエア」があります。

コーヒーブレイク-ゾエア


 ゾエアとは、彼の文章を借りますと、「・・通常卵の中で保護されたまま迎える進化の過程を、全く海の中で、一個の生物としての変態を繰り返しながら生体になる甲殻類等の幼生だ。・・・・」だそうです。
 甲殻類といわれると、確かにそんな感じがしますが、このサイズが幼生だとすると、大人になったらどんな大きさになるのでしょうか?
それとも本来水の中にいて成長するはずのものを、乾いた外に打ち付けてしまったから成長が止まったかも…。

 川口さんは、今回、工芸の館を作る上にご協力をお願いしましたとき、すぐに快く受けていただき、打ち合わせにも何度も来ていただき、館の趣旨をとても理解していただいた作家のお一人です。
館完成の折には是非ラピスラズリ―のパティオに籠ってください。渦巻の中心は、天からのエネルギーが吸い込まれるところであるか、或いは地のエネルギーが湧き出してくるところか・・・そんなことを感じていただければと願っております。

コーヒーブレイク-計画図面
計画図面




ラピスラズリのパティオ

今日は5月らしいとてもさわやかなお天気でした。遠出をするには最高の日より。
川口淳さんにお願いしていました、ラピスラズリのパティオのイメージを決定するタタラの削りの制作が昨日から始まったとの連絡を受けて、見学に行きました。
彼が大作を制作するための工房は小田原にあります。

コーヒーブレイク-淳さん工房
淳さんの工房


 パティオのサイズはおよそ1400×3800です。テーマは極楽浄土!すべてが平和で、心休まる空間です。そこに55枚のタタラをパティオスペースにぴったり敷き詰める予定です。
一枚ずつのタタラを全体のイメージの中で、削り、表現していく真剣勝負の時間でした。一枚でも失敗は許されません。
これはその後、素焼き、釉掛け、本焼き、そしていざ現場での敷き詰め作業、どの瞬間でも、失敗はできないのです。一枚でも欠けてしまったら全体のイメージが全部崩れてしまいます。


コーヒーブレイク-パティオ完成見本
完成見本


 実際の作業に入るまでの、準備が大変です。まず生乾きのたたらを置く床を平らにするために、ベニヤ板を二枚敷き詰めます。その上にタタラを並べ、周りをステンレスの足場で囲み、作業用の横板を固定します。
陶芸家ってすごい!なんでもできてしまうんだと、まずここで感動!

コーヒーブレイク-足場

何故か足場に色までつけてしまって





さて、作業がまた大変でした。足場に渡してある板の上に座って、前かがみになり全体の流れを考えながら削っていきます。部屋の中はタタラが乾かないように、窓も締め切り、電気もついていません。
1時間黙々と作業をして、腰を休め、全体を眺めて、また作業に入るという段取りです。

コーヒーブレイク-制作風景


今回は淳さんと長年の友人である女性陶芸家川辺美佳さんが助手としてお手伝いなさっていました。

コーヒーブレイク-休憩


明日までに全体の削りを終えるという予定だそうですが、現場に行ってみてよかったと思いました。出来上がりももちろん楽しみですが、その作品がとのような過程を経て制作されるのかを分かっていると感動も一層深いものになります。大変お疲れ様です。明日までに全部削り終わる予定です。
淳さん、また痩せちゃいそう・・





ブログ始めました

 ついにブログを始めることにしました。
 工芸の館・游彩の完成するまでの一年をブログで綴っていきたいと思います。
 「YAKATA・游彩」は試みのギャラリーです。15年間、陶芸ギャラリー陶彩を運営していて、作り手と使い手との距離を感じました。使い手にとって工芸の楽しさは、それを使いこなすことです。作家の思い入れと、使い手のテイストが合ったとき、その作品は初めて息をするのです。作品から解き放たれ物になるのです。
 館プロジェクトは、工芸アート(工芸という言葉が適切なのかは分かりませんが)集合空間です。今まで個人の個展、或いは美術館などに展示されているものを、何とか住空間に取り込めないだろうかという実験的目論見です。
 現在は、陶・漆・鉄・ガラス・和紙の作家の方々に参加していただいています。建物の基本設計がやっと終わりました。これから作家の作品と住空間との取り合わせの段階は入っていきます。作家の方々の作品の制作風景を取材しながら、館完成までの道のりを館・ヌシと、修行中スタッフとの奮闘記を綴ります。

コーヒーブレイク-館完成模型
館完成の模型


 それぞれのジャンルの作家が真剣に館のあり方について議論しあいました。
   

 
コーヒーブレイク-打ち合わせ
打ち合わせ風景(2010年12月)




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