大森暁生と工房スタッフ展 | コーヒーブレイク

大森暁生と工房スタッフ展

大森暁生と工房スタッフ展

本日から「はずみ」展が始まりました。

タイトルに関して大森氏は-工房はずっと居続けるところではありません。いつかそれぞれ作家として自立しなければいけないのですが、工房から独り立ちするその日の為に、足元をしっかり固めてきたものは、そのぶん「はずみ」をつけ、より一層高く跳びあがることができる・・

という思いでこのタイトルをお付けになったようです。親分の厳しくも温かい心が伝わってまいります。

 

 

取付の為に壁面の余白の計算を

ブツブツ独り言をおっしゃりながら計算中

 

 

まず大森暁生さんの作品『寒月にはずむ』

 

キタキツネが雪一色の中、餌を求めて必死にジャンプしているさま

生きるためのすべなのですが、その姿が何とも言えず愛らしい

雪を舞い上げおもいっきりはずんでいる瞬間です

 

一番長く8年間工房のお手伝いをしている長久保華子さん

彼女自身は飛躍の前段階だそうです

 

 

木彫に漆下地、顔料仕上げの『Linden』

ライオンが優しいまなざしで菩提樹の新芽を眺めています。

その成長を楽しみにしているように

 

 

もう一点『月に至るまで』は

飢えた老人の食料となるためメラメラと燃え盛る炎の中に

身を投じたウサギの作品

 

 

山本雄大さん

 

今回は大森氏より、新しい試みをするようにと指示があったそうです。

今までは組木での制作が多かったそうですが

初めて箱根細工の寄せ木の技法に挑戦なさいました。

何気ない作品に技術が集約されています。

 

3日間ほどの徹夜明けの昨日の搬入、ちょっと油断したすきに

立ったまま眠りに入ってしまいました。

 

白谷琢磨さん

今回は乾漆の作品

今までは樹木をモチーフにした作品が多かったそうですが

今回は人体と樹木の合体です。

なにかのはずみでミトコンドリアが人体の中に寄生したように…

『森から逃亡』と題された作品は、不思議な世界観を漂わせています。

 

 

最後スタッフとして一番後輩である東嶋賢一さん

 

大森大先輩の元で働きながら、自分の夢に近づけられるよう

日夜努力をを積み重ねている自分の深層心理を表現したそうです。

 

タイトルは難解です

尾那伽魚ー陽光照-(左)勢夢ーhazumu-(中)尾那伽魚-月光照―

 

 

垂飾の一部を真鍮の鋳造と焼き物で制作

それを取り付けているところ

目が良くなければできない作業

 

 

 

工房スタッフの方々は、大森氏からテーマと新しい試みという宿題も与えられ、

何日間も徹夜しながら

自分の思いを作品にしていらっしゃいます。

これから彼らがいつ自立して、どのような作家になっていくのかとても楽しみです。

是非ご高覧いただき、彼らの素直な作品作りに対するエネルギーを感じ取っていただければと思います。