マダムフリーランス・骨盤底理学療法士の熊丸です。
先日、病院に来ていただいた70代の患者さまよりご質問がありました。
『自分の母親は70代からおむつを着用していた。自分と同年代のお友達に聞いてみてもだいたいみんな尿漏れパッドは使っているようです。だから年をとると少しくらいは漏れるのが普通と思っていますが、漏れる量はさすがに人と比べられないので、どのくらいまでが漏れるの普通なんですか?』とご質問がありました。
失禁の定義はinternational continence society(国際コンチネンス学会)が次のように定めています⇒「不随意,あるいは無意識な便や尿の漏れが,社会的または衛生上の問題となっている状態」である
もしくは日本泌尿器学会によりますと、
『尿失禁とは自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまうこと』と定義づけられています。
ですので、確かにパッド等を用いて間に合っているのであれば、人前でズボンやお椅子を汚したりなどという社会的な問題がないので大丈夫ですとも言えますし、ご自分の意思に反して漏れる(=ご自分でおしっこのコントロールが効かない状態)のであれば、それは立派な尿失禁であり治療の対象になりえますよともいえると思います。
どのくらい漏れたらわざわざ泌尿器科にまで行って治療しなきゃいけないのかな?他の人はどうなんだろう?と疑問がわいても当然です。
排泄ってみんなに共通する事項ですが、その『快』と『不快』の線引きは人と比べるのではなくご自分でされるのが良いと思います。だって自分の膀胱だし、自分のプライベートゾーンのことだから、それはご自分の美意識とか基準で決めるべきです。
人によっては一生おむつやパッドが不要な方ももちろんおられます。一滴でも漏れたら不快と思われる方もたくさんいらっしゃいます。費用対効果を考えて、病院行くよりパッドにお世話になろうと考える人もいます。女性は生理用パッドで慣れているためか、尿漏れパッドを長時間装着していることに抵抗がない人も多いような印象です。むしろパッドやおりものシート装着しているのはエチケットの1つ?と考える人もいそうな感じがします。
病院行ってもお薬が増えるのが嫌だから、今のままで我慢するという人もいます。
逆にすごく嫌だし、将来年齢を重ねていくにつれて漏れの量が多くなって、パッドがどんどん大きくなって、おむつになっていくのは嫌だな、だから今のうちに泌尿器科受診しとこうと思う人もいます。
今の時代は治療方法も選択肢がたくさんあり、第1選択になりうる標準治療(検査や診断や内服)から、骨盤底筋指導外来のような尿漏れのリハビリ、レーザー治療や本当にひどい場合は手術もできるわけです。
ですので、尿漏れの量に関わらず1滴でも漏れて不快であれば、まずは泌尿器科を受診してみて、治すにはどのような手段があり、期間はどのくらいかかり、費用がどのくらいかかるのか、聞いてみて、我慢するのか、ずっとパッドでいくのか、今の段階で治療しとくのか決めるのも遅くはないと思います。
今日もステキなパンツでお過ごしください✨✨