皆様こんにちは。
金ない、学ない、能力ない、おまけに酒が全く飲めない弱者男です。
今回、何のコインをご紹介しようか迷っていたのですが、JCCさんのサイトにヌード ブリタニア ハーフペニーが上がっていたので便乗して、第4弾はこちらのコインにしてみました。
【基本情報】
発行国:イギリス
額面:ハーフペニー(3mm厚)
発行年:1850〜1860年頃?
発行枚数:不明
カタログ番号:Peck-1163
レアリティ:VR(Very Rare)
鑑定会社:NGC
グレード:PF63
鑑定枚数:PCGS 0枚、NGC 1枚
※detailグレードの枚数は不明
こちらは、イギリス国内向けの銅貨を製造していたSOHO造幣局が1850年代に閉鎖となった後、William Joseph Taylorというメダリストがコインのダイを購入し、修復・加工してコレクター向けに製造・販売したリストライクコインとなります。
Taylorはイギリス本国やオーストラリアなどの植民地向けのトークンやメダルの著名な制作者でありながら、オーストラリアで民間の造幣局を興そうとする(成功はしなかったようです)など、実業家の顔も持っていたようです。
前置きが長くなりましたが、当該コインの話に移りたいと思います。
Taylorが購入したダイは、一般流通用コインとして使用されず、結果的にPATTERNや贈呈用としてのみの利用に留まったものが多くあったようで、こちらの車輪銭タイプのハーフペニーもPATTERNのダイから打たれたものです。
※流通用として製造された車輪銭は2ペンスとペニーのみ。
また、Taylorは同じダイから銅、青銅、ホワイトメタルなどの卑金属に加え、僅かな数の銀打ちや金打ちのものも作製していたようでして、peckカタログの評価でも銀打ちや金打ちのほとんどはVR〜ER、ものによってはEXRとなっています。
"Contemporary correspondence suggests that only 18-20 coins were struck per die that Taylor had acquired, and considering that restrikes were produced in various metals, that would suggest a mintage of no more than a few in silver. Not surprisingly then, we note only one other fairly recent offering of this issue, that coming in a 2007 Baldwin's auction."
【日本語訳】
"同時代の書簡によると、テイラーが入手した金型1つにつき18~20枚のコインしか鋳造されなかったとされ、再鋳造がさまざまな金属で製造されたことを考慮すると、銀貨の鋳造枚数はごくわずかであったと考えられる。当然のことながら、この発行のコインが比較的最近出品されたのは、2007年のボールドウィンズのオークションに出品されたもの以外には見当たりません。"
こちらのコインはheritage auctionで出品されたものを日本の某コイン商が国内に持ち込み、最終的に私が購入したものとなりますが、イギリスコイン、PATTERN、銀打ち、車輪銭、3mm厚というイカした要素を数多く持っている割にはそこまで高額ではなく、私の稼ぎでも何とか手の届く価格帯でした。
やはり、扱いがリストライクであること、造幣局が製造に関知していない(=公式なPATTERNコインではない)こと、類似品がそれなりに多いこと(5月に開催されたTraveller Collectionにも銀打ちが複数出ていました)などが、価格が伸びにくい要因になっているのかなぁ、と考えております。
無論、金打ちだけは別格でバカ高いですけどね、、笑
とまあ、そんな感じで中々クセの強いコインではありますが、私の好みにぶっ刺さる要素を幾つも持っているため、コレクションの中でも1〜2位を争うくらいのお気に入りコインです。
まだまだ語りたいことが山程あるのですが、とりあえず今回はここまでということで。。
今回もお付き合いいただきありがとうございました。
追伸:
peckカタログ(C.W. Peck English Copper, Tin and Bronze Coins in the British Museum 1558-1958)は東京都立図書館で無料で読むことが出来ます。ご興味がある方はぜひ!
