東京都美術館 2017年4月2日迄
「ティツィアーノとヴェネツィア派展」
http://titian2017.jp/
今日は版画を二枚ご紹介しましょう。
いずれもギリシャ神話の戦いの神です。
どちらも天才スキアヴォーネの作です。
「ミネルヴァ」
1548~52年
エッチング ドライポイント
197×114㎜
一見。
え? 女神さまですか?
と、思われるでしょうが、女神です。
ローマ神話に出てくる
ベッローナにも似ているモチーフなのですが
足元に本がある事から
戦いの神でありながら
知恵の神でもあるミネルヴァだろうと推測されています。
「マルス」
1548~52年
エッチング ドライポイント
197×114㎜
この2枚の版画は
ほぼ同時代に制作されたものです。
ギリシャ神話においては有名人マルス。
軍神マルスですね。
彼は火星を守る神様としても知られています。
人妻のアフロディーテ(ヴィーナス)さんと恋仲になり
アバンチュールな一面を持つ軍神さんでもあります。
彼女の旦那様に、おバレになられまして、
マルスさんは結構、大変な目にも遭っておられますのよ。
こちらは
ボッティチェリさん作の「ヴィーナスとマルス」
版画にお話が戻ります。
マルスの頭部を極端なまでに
左に向けて制作されている構図をとる事によって
マルスの精悍さと兜の装飾の見事さがよくあらわされています。
宗教的な作品だけでなく
神話の神々の作品も本当に素晴らしいものがあります。
日本人は天照大神やスサノオなどの
古代からの神々を信仰している人も多いものですが
西洋の現代人もギリシャやローマの
古代の神々を信仰している人が多いです。
ずっと変わらずに信じ続けられている神様は
ひょっとしたら本当にいらっしゃるかも?と、
美術品を観ながら、そんな事も、ふと思ってしまう私です。
それでは、また明日の
ティツィアーノとヴェネツィア派展ブログでお目に掛かりましょう。
「ティツィアーノとヴェネツィア派展」鑑賞付き個人セッション
http://ameblo.jp/peroko-0221/entry-12245784626.html
2017年4月2日迄。
*鑑賞のみコースもあります。
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