宅建tシリーズ 26年度の基本テキストについては、こちらのページで説明

(1)不当景品表示法の「徒歩10分」とは

P:前回の「宅建t:住み替えに役立つ宅建02 大学合格者が部屋を借りるまで(宅建業者、宅建士とは)」で、今回から「重要事項説明書(賃貸)について説明の予定」と、予告したんですが、

 「重要事項説明書」(宅建業法35条書面)

は契約の前、

「契約書」(宅建業法37条書面)

契約締結後に遅滞なく交付する書面。

だけど、そもそも部屋を決めるまでにいろいろ注意点があるよね? ということで、今回はまず「部屋探し」の3大要件といわれる、家賃・立地・広さ(間取り)の中でも、立地についての注意点です。※1

 

とくに筆者やSさんの土地勘がある東京農工大付近(東京都小金井市・JR東小金井駅近辺)には、なかなか特徴のある「地形」の場所がありまして、これがタイトルにある「徒歩10分」にも関わってきます。

S: いろいろな住宅情報サイトで、物件検索するときに、賃料・間取り・築年数などと並んで、「交通」、たとえば「最寄り駅から徒歩10分以内」などと指定できますよね。

ここで言う「徒歩10分」は、法律(不当景品表示法:不動産の表示に関する公正競争規約)で、1分80m換算、つまり物件までの道路距離が800mという意味になりますが、このとき信号待ちや坂道などは考慮されていません。※2

P: つまり、経路に幹線道路の横断とか、高架になる前のJR中央線のように「開かずの踏切」があったとしても、徒歩10分になると?

S: そうです。実際にかかる時間ではありません。

この1分80mという数値は、昔、ハイヒールの女性が歩く速度をもとに決められたそうなので、スニーカーの男性だと、歩く時間だけなら7~8分くらいかな?

逆に、全国どこでもありがちな「坂道」「階段」は、とくに私たちのようなシニア世代は要注意!

時間がかかるというより、そもそも自分たちが歩けなくなることを想定して、物件選びを考える必要もあります…。

P: 「坂道」「階段」といえば、農工大の合格者(新入生)が、物件探しをするときに遭遇する(かもしれない)傾斜が、こちらです ↓

農工大・工学部キャンパスの南には、「国分寺崖線(はけ)」という地形が東西に細長い帯状に広がっていまして、生成AIの説明だと、

『国分寺崖線は、立川市から世田谷区にかけて約30km続く、多摩川が武蔵野台地を削り取ってできた連続した崖です。小金井市内を東西に貫く10〜20mの崖と湧水、緑地が豊かな自然環境と、風情ある坂道の多い景観を形作っています。』

S: 小金井市がわざわざ「坂と遊歩道マップ」を作成して、「坂」を紹介してくれてます。

P: みはらし坂、ムジナ坂、観音坂…農工大近くの坂にもいろいろな名前がついてますね…。

農工大付近でなくても、地元以外の大学に合格して、部屋探しをするときは、まずできるだけ拡大した地図で、地名をチェック。

○○坂が多い場所は、高低差があるということです。

ただ、坂のある場所だと、家賃が周囲より割安になるケースもあって、現に当ブログ・レギュラーのZくんは、社会人になって一人暮らしを始めた時、わざと最寄り駅までの間に坂のある物件を選んだそうです。

ちなみに上の写真の、階段前の道路からは、農工大方面へのわりあいなだらかな坂もあります。

少し遠回りになりますが、自転車通学ならこちらの方が早いでしょう。

 

(2)宅建業法35条書面(重要事項説明書)の「水害ハザードマップの提示」

S: たとえ、坂がゆるやかでも要注意なのが、「水害」です。

とくに、昨年の東京では、異常なくらいの短時間豪雨が何回もありまして、私も2回くらい、最寄り駅付近で雨が止むのを待ったことがありました。

P: 東京で有名なのは、渋谷駅ですね。

名前に「谷」がつくくらいですから、すり鉢のような谷底に駅がありまして、「道玄坂」などから流れ落ちた水で、駅付近が浸水したニュースを何度もみたことがあります。

ただし、今はすごい施設を地下に作って対策しているみたいですね。

 

 

S: 普通の住宅街では、大がかりな対策は難しいとおもいますが、賃貸なら浸水しそうな場所を避けて借りることはできます。

「水害ハザードマップ」といって、東京都の市区ならどこでも作成している地図がありまして、さらに小金井市では「浸水予想区域図」も発行していました ↓(PDFファイル)

https://www.city.koganei.lg.jp/kurashi/472/bosai/bosaiservice/bousaimap.files/koganei_bousai_map2025_3.pdf

P: この地図を見ると、小金井市だと「はけ」の斜面よりも、小金井市北部の仙川と南部の野川の流域に、浸水の危険な場所がありますね。

S:「水害ハザードマップ」は、宅建業法35条書面(重要事項説明書)の中で、説明すべき項目になっています ※3

 

 

ので、賃貸契約の前に浸水想定区域内に入っているのか? 区域外かの確認はできるんですが、もし浸水想定区域内だったら、部屋選びをやりなおすの? という話で、とくに国立大・後期合格の場合は時間がないので、ネットで調べられる情報は、親御さんが事前によく調べておくことをおすすめします。

また、傾斜地だと、同じく宅建業法35条書面(重要事項説明書)の中で、説明すべき項目になっている、「土砂災害警戒区域」「土砂災害特別警戒区域」内かどうか? も要チェックです。※3
P: 生成AIによれば、

『土砂災害警戒区域(イエローゾーン)とは、がけ崩れ・土石流・地すべりなどの土砂災害が発生するおそれがあり、住民の生命や身体に危害が生じる可能性がある土地の区域で、警戒避難体制の整備や危険周知が行われますが、建築規制は特にありません。』

土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)も含めた、詳しい解説は ↓

 

S: この「土砂災害警戒区域/特別警戒区域」の場所も、たとえば小金井市だと「防災マップ」

で調べられます。

これも、物件探しの際に、事前に「警戒区域ではない」と分かれば、安心できますよね。

 

P: 今回は、見知らぬ土地で賃貸物件を探すときの参考に、農工大工学部・南側の一部地域をピックアップしましたが、農工大工学の周辺は、もよりの東小金井駅で北口の再開発もすすみ、また、東小金井駅~武蔵小金井駅間のJR高架下には、地ビール工房やおいしいパン屋さん、デザイナーズ学生寮(CLH)なども並び、とても住みやすい場所ですよ。

 

【参考情報】小金井市標高図(PDF・1ページ)

下のリンクから、地図全体が閲覧できます。

この地図をみると、東小金井駅付近が、標高約65メートル(うす黄色)。「はけ」の地域が標高60~50メートルくらい(うす緑)とはっきりわかります。

https://www.city.koganei.lg.jp/kurashi/482/buss/cocobussaihenjigyo.files/R2.1_hyokozu.pdf

(上記の小金井市作成地図から一部引用)

なお、この地図は、国土地理院の「基盤地図情報サイト」のデータをベースに作成されたようです。

ただしデータ利用には、GIS(地理情報システム)ソフトが必要(各種無料閲覧ソフトはあります)

 

そこまでしなくても、国土地理院の下記サイト

から、「色別標高図」も見られますので、小金井市のような情報提供がない場合でも、ご自分でいろいろ調べられます。

ちなみに、下記は横浜国立大学付近の丘陵地の凹凸を示した図です。

 

 

【補足】

※1 家賃・立地・広さ(間取り)については、下記のようなサイト等をみて検討してください。
https://www.homes.co.jp/cont/rent/rent_00698/

※2 基本テキスト 第4編:その他 505ページ

※3 基本テキスト 第2編:宅建業法 376ページ 「重要事項説明書」については、別にまとめて説明予定です

 

【写真】すべて撮影P トップ:生成AIでアンディー・ウォーホル風にアレンジした東京・武蔵小金井駅前写真、文末:はけの道沿いの昭和なお店(中村文具店

【BGM】

S選曲:GRe4N BOYZ 「道」

P選曲:The Police 「Every Breath You Take」