「あの猫、諦めたかなあ。」また、ヘビが喋った。

「あの~。あなた誰?」

「誰って、見てのとおりのヘビだよ」

「でも、普通のヘビじゃないでしょ。喋っているし。」

「ヘビが喋っちゃ悪いか!」

「悪くはないけど、普通じゃないじゃん」

「俺だって、好きでヘビやってんじゃないの! 気が付いたらヘビだったんだよ。その前はちゃんと人間だったんだから。」

「じゃ、何か悪いことでもして神様にヘビにされたんだ。」

「違う、違う。死んで目が覚めたらヘビだったの。」

「えっ!あなた死んだの?」

人間だった?俗に言う生まれ変わりってやつか。でも、生前に何か悪いことしたからヘビに生まれ変わったのじゃないか。

「心筋梗塞でね。いわゆるメタボってやつでさ」

「メタボ! へ~今そんなにスマートなのに?」

「アホかお前?人間の時の話や。それと人のことお前って言うな!俺はお前より人生の先輩なんだぞ。」

そんな事言われてもヘビの年なんか分からない。

「じゃなんて呼べばいいのさ?」

「山本さんかな。」

「山本さん? なんかピンとこないな。下の名前は?」

「太郎」

「山本太郎?あははは・・・山本太郎、ありふれた名前!」

「うるさい! そう言うお前はなんて名前だ」

「田中徹」

「何じゃ、お前もありふれた名前じゃないか。」

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