ウルセラ論文紹介28:アジア人男性に対するウルセラのカスタマイズ治療 | 美容皮膚科医の日常ーペルラクリニック神宮前院長 本田淳

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以下本文となります。

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ウルセラに関する論文をご紹介します。

 

Customizing Microfocused Ultrasound With Visualization Treatment for Facial Lifting in Asian Men: Experience and Practical Insights From Korea

 

 

 

2025年の論文です。

 

 

要約
緑色の文字は私のコメントですのでご参考まで(読み飛ばし推奨)

  • イントロ

    近年、世界的に男性の美容治療への関心と需要が顕著に増加している。この傾向を鑑みると、性別および異なる民族間における顔面解剖および審美的嗜好の相違を認識し、理解することが重要であるといえる。男性患者に対して治療を計画する際には、これらの違いを特に考慮する必要があると考える(女性の場合でも同じですが)。
    リアルタイム可視化機能付き集束超音波(Microfocused Ultrasound with Visualization:MFU-V)は、皮膚のリフティングおよびタイトニングにおける現時点でのゴールドスタンダードとされており、照射部位をリアルタイムに視覚化できる唯一の集束超音波デバイスである。この機能により、標的組織層に対して精密なエネルギー照射が可能となる。MFU-V治療の最適化に関するガイドラインは既に策定されているものの、男性に特化したガイドラインは現在のところ存在しない。
     

  • 目的
    アジア人男性に特有の顔面解剖および審美的目標にカスタマイズした、MFU-V治療の臨床的知見を提供すること。
     

  • メソッド
    既存のコンセンサスガイドラインに記載された基本原則、および年齢層や主訴が異なる韓国人男性に対する臨床経験に基づき、アジア人男性の顔面の解剖学的特徴および審美的ニーズを考慮した、顔面のリフティングを目的としたMFU-V照射プロトコルを提案する。これにより、臨床的アウトカムの最適化を図る。
     

  • 結果
    本プロトコルを適用した症例において、施術後3か月時点で予測される臨床効果の代表例を提示する。
     

  • 結論
    我々の臨床経験では、本プロトコルの適用により優れたリフティング効果が得られ、フェイスラインの明瞭化、二重あごの改善、顔貌のスリム化といった望ましい審美的変化が得られている。

 
以下、本文です。抜粋して紹介しています。お時間がある方のみどうぞ。
  • イントロ

    近年、世界的に男性の美容医療に対する需要が高まりつつある。社会的に美容治療の受容度が高まるにつれ、容姿の改善および自己肯定感の向上を目的として、治療を希望する男性が増加している。したがって、性別および民族による顔面の解剖や審美的嗜好の違いを十分に認識することが重要である。たとえば、男性は女性に比し、皮膚が20~25%厚く、とくに前額部、中顔面、顎および頸部でその差が顕著である(forehead, mid-cheek, jowl, and neck)[3]。また、一般的に、アジア人の顔貌は西洋人と比較して下顎幅が広く、顔全体の輪郭もより丸みを帯びるか、もしくは四角い形状をしている(a more rounded or square-shaped face compared with their Western counterparts :興味がある方は原著論文をご確認ください。もう少しマシな(失礼 表現になっています→)[5]。審美的な理想について、男性は明瞭なjawlineを望む傾向があり、一方、女性は皮膚の質感により留意する傾向がある[4]。また、アジア人男性は、白人男性と比較してよりスリムな顔貌を好む傾向があり、逆に、白人男性は力強く角張ったjawlineを志向する[6]。男性患者に対する治療計画においては、男性特有の顔面解剖および治療ニーズを考慮する必要がある(アジア男性・・・といっても、主に東アジア系を念頭に置いているのでしょう)。

     

    美容治療の需要増加のトレンドは、主として非外科的施術の需要の急増によって牽引されている。男性に対する非外科的施術の総実施件数は、2020年の140万件から2021年には410万件へと急増した。この人気の高まりは、ダウンタイムがほとんどなく、かつリスクの低い治療オプションの需要増加と関連している。このような非侵襲的治療へのニーズの高まりに応える形で、様々なEBDが開発されてきた。集束超音波(intense-focused ultrasound:IFU)は、特定の組織層に超音波エネルギーを照射することで、コラーゲン新生(de novo collagen production)を誘導し、弛緩した皮膚のリフティングおよびタイトニングを促進する非侵襲的なエネルギーベースの技術である。なかでも、可視化機能付き集束超音波(MFU-V;Ultherapy、Merz North America Inc., Raleigh, N.C., USA)は、対象組織を超音波で高解像度かつリアルタイムで画像化できる唯一のIFUデバイスであり、施術者は治療部位の各組織層を可視化しながら照射を行うことが可能である。

    顔面において、皮膚の厚さは部位により大きく異なり、それに伴い皮下の組織層の深度も変化する[10]。したがって、リアルタイムの可視化は、MFUエネルギーを目的とする深度へ、それぞれ精密に照射するうえで不可欠であり、これにより適切な深度に熱凝固点(thermal coagulation points)が形成され、コラーゲンおよびエラスチンの産生が誘導される。その結果、組織のリモデリング、粘弾性の増加、リフティング効果、皮膚の肥厚およびタイトニングがもたらされる。

    白人およびアジア人におけるMFU-V治療の最適化に関しては、すでに複数のゴールドスタンダードとされるコンセンサス・ガイドラインが策定されている[7, 11, 12]。しかしながら、男性に対するMFU-V治療に関する議論は、これまでほとんどなされてこなかった。
    本稿では、美容医療従事者が、アジア人男性の審美的ニーズを満たすカスタマイズされた治療計画を立案するための実践的知見を提供することを目的としている。

     

  • メソッド

    既存のゴールドスタンダードとされるガイドラインのフレームワークならびに年齢や主訴が多様な韓国人男性に対する我々の臨床経験に基づき、アジア人男性の解剖学的特性および審美的嗜好を考慮したMFU-Vによる顔面のリフティング治療プロトコルを提案する。
    本プロトコルは、男性患者において望ましい審美的アウトカムの実現と外観に対する満足度を高めるための指針となると考える。
     

    アジア人男性の美容治療に関する考察

    審美的理想像は、性別のみならず、文化的・民族的背景によっても大きく異なる。したがって、アジア人男性における美容治療計画に際しては、性別特有の顔面の特徴と審美的嗜好に加え、文化的および民族的差異や審美的理想を総合的に考慮することが、最適な治療アウトカムを得るために重要である。
     

    顔面の解剖学(Facial Anatomy)

    美容治療を男性に施す際には、顔面構造の性差を踏まえた治療設計が求められる。一般的に、男性は女性と比較して表皮および真皮が厚く、一方で皮下組織は薄い傾向がある[3](Figure 1).。また、顔面における皮下脂肪の分布も性差があり、男性は頬部における脂肪量が少ないことが知られている[3]。このような解剖学的差異により、顔面各部位におけるSMASを含む皮下組織層の深度には、性別による明確な差異が認められる[10]。したがって、標的組織層をリアルタイムする可視化することは、カスタマイズ治療ならびに正確なターゲット層への照射のために重要である。

    審美的嗜好(Aesthetic Preferences)

    多くのアジア人男性が、明瞭なjawlineおよびスリムな顔貌が理想的と感じ、審美的に好まれるため、近年、顔面輪郭形成(facial sculpting)への関心の高まりを見せている[4, 6]。そのため、女性とは対照的に、皮膚のリジュビネーションよりも、jawlineの輪郭形成や顔面のリフティングを優先する傾向がみられる。また、二重あご(submental fullness)の改善に対する需要が多いことも報告されている[13]。さらに、眉部においては、アーチ眉ではなく、自然な平行眉(parallel brow)型リフトを好む傾向がある。

    治療の原則(Treatment Principles

    アジア人男性に対する治療戦略は、下顔面を集中的に治療することで、二重あごの改善およびjawlineの明瞭化を図ること、さらに中顔面の積極的な治療により、軟部組織のリフティングならびにコラーゲン新生を促し、顔貌全体をスリムに見せることに重点を置くべきである。特に、望ましいリフティング効果を得るためには、真皮層ではなく、SMASなど表在筋膜(superficial fascia)、および線維性隔壁(subcutaneous fibrous septa)などの深層構造におけるコラーゲン産生を刺激する治療に注力する必要がある。SMAS/superficial fasciaは、顔面筋と真皮とを連結する、単一の線維性ネットワークであり、顔面の支持構造の一つとなっている[14]。この層は加齢に伴う構造的変化に関与しているため、同層を標的とした刺激は、皮膚へのアプローチよりも包括的なリフティング効果をもたらすと考えられる[10, 15]。

     

    アジア人男性に対する MFU-V 治療の最適化に向けたアプローチ(提案)

    治療プロセス全体を通じて患者に積極的な関与を促すことは、患者サポートの向上ならびに治療体験の質の改善につながる。審美的嗜好や治療目標の共有・調整を図るためには、詳細なコンサルテーションが不可欠であり、これは治療を成功に導く基盤となる。男性患者は、一般的に女性患者に比し美容医療の経験が乏しいため、初回のカウンセリングでは、治療計画および各プロセスについての詳細かつ丁寧な説明を行い、期待値を現実的に調整することが重要である。また、治療はあくまで患者自身の男性的な顔貌の維持または強調に重点を置いてデザインされていることを十分に説明し、安心感を与える必要がある。さらに、リフティング効果は即時的ではなく、治療後に徐々に現れること、および必要に応じて他の施術との併用やタッチアップ治療が必要となる可能性についても、事前に十分な説明を行うことが望ましい。これは、特にMFU-Vや美容治療の経験に乏しい患者にとっては極めて重要である。フォローアップ時に追加治療が必要と判断された場合には、その理由と目的を明確に説明する必要がある。また、 MFU-Vのメンテナンス治療が12〜18か月ごとに推奨されることについても、患者に伝えておくことが望ましい[7, 11, 12]。
     

    本稿では、アジア人男性におけるMFU-Vの治療成績を最適化するための3ステップのアプローチ(Figure 2)を提案する。
     

    step1 審美的ニーズの評価
    治療開始前には、患者の皮膚の状態を詳細に評価することが不可欠である。初診時は、患者の加齢過程を含めた審美的ニーズ・主訴を明確に把握することが必要である。例えば、男性患者は通常、jawline の明瞭さや顔の輪郭(face shape)に対して関心を示すことが多く、加齢に伴って皮膚の弛緩(skin laxity)にも懸念を示すことが多い。

    step2 治療目標の設定

    懸念部位の特定、期待値の調整、現実的な治療目標の設定を行うためには、患者との率直かつ詳細な対話が不可欠である。二重あごの改善や頬外側のリフティング効果は、明瞭ななjawlineとスリムな顔貌を求める男性患者にとっては、通常、望ましい結果とされる。高齢の男性患者においては、上顔面のリフティングや顔全体のタイトニングも治療目標となりうる。ただし、皮膚の老化の程度は同年齢あっても個人差が大きいため、患者ごとの審美的目標に基づいたカスタマイズ治療が推奨される。
     

    step3 可視化機能を用いたカスタマイズ治療

    照射対象となる組織層の深度は、患者の年齢、BMI、および照射部位によって異なる[10]。したがって、高解像度超音波画像を用いて、治療範囲の標的組織層を視覚的に同定することが、治療のカスタマイズ化と精密なエネルギー照射を実現する上で鍵となる。個々の患者において標的層の深度を正確に把握した後、術者は使用するトランスデューサの焦点深度、エネルギーレベル(物理学的には曖昧な表現で・・・UIに表記されている数字は、J/line で、離散的な単位エネルギーを表します)、照射ライン数といったパラメータを適切に設定することで、患者の審美的ニーズと治療目標に応じた最適な治療を施行できる。
     

    治療プロトコル

    韓国人男性の治療経験に基づき、既存のゴールドスタンダード・ガイドラインのフレームワークに、性別固有の顔面の特徴および審美的嗜好を統合するかたちで、アジア人男性向けのMFU-V治療プロトコルを作成した(女性に対する SMAS/superficial fasciaを標的とした4.5 mmプローブによる治療ガイドラインは、補足資料S1に図示されている)。Figure 3は、当該MFU-V治療プロトコル(提案)を示している。治療部位、標的層、照射ライン数は、患者個々の顔貌の特徴および審美的ニーズに応じて調整する必要がある。一般的に、男性患者に対しては下顔面および中顔面に多くの照射ラインを割き、かつ深層を主に標的とすることによって、皮膚のリジュビネーションよりも jawlineの明瞭化およびリフティングに重点を置く。
     

    アジア人男性に対する治療は、下顔面、とくに顎下外側および頸部上部に対する照射に重点を置くべきである。これにより、下顎骨縁に沿った広頸筋のタイトニング効果が得られ、二重あごの改善と明瞭な jawlineを顕し、リフティングが達成される。また、頬部外側(lateral cheek)への積極的な施術により、コラーゲン新生と軟部組織のリフティングが促進され、顔貌のスリム化が図られる。年齢が上がにつれ、上顔面に対するリフティングや、顔全体のタイトニングを行うことが望ましい。アジア人男性における治療では、眉毛外側部に加え、前頭中央部も治療部位として考慮すべきである。平行型の眉毛リフト(flat brow lift)を目的とする場合、眼窩上切痕より内側に照射するが、その際は滑車上神経を損傷しないよう注意が必要である。

    より包括的なリフティング効果を得るため、SMAS/superficial fasciaおよび皮下の線維性隔壁といった深層構造への照射に重点を置くことを推奨する。顔面および頸部上部の治療の場合、エネルギーレベル2(Ultherapyにおける相対指標)から開始し、最低でも600ライン、最大で800ライン程度の照射を行うことを推奨する。さらに、より表層の肌質改善を目的とする場合には、希望に応じて真皮深層への追加照射を行うことも可能である。
     

    必要に応じて、他治療と併用することで望ましい治療結果を得ることができる。追加する治療法の選択は、個々の患者の主訴および顔面の解剖学的特徴、ならび選択肢となる各治療法の特性に基づいて決定されるべきである。たとえば、咬筋や広頸筋の過剰な発達、または耳下腺の肥大が認められる男性に対しては、A型ボツリヌス神経毒素(BoNT-A)との併用治療を検討すべきである。これにより、下顔面および下顎輪郭の横幅と形態を縮小・改善することが期待される[16]。なお、咬筋および耳下腺のボリューム減少には高用量のBoNT-Aが必要となることが多いため、incobotulinumtoxinA (INCO)は合理的な選択肢である。INCOは、複合タンパク質を含まない高度に精製された製剤であり、これにより中和抗体産生による二次的無反応のリスクが低減される(原文ではimmunoresistance という言葉もありますが、ターミノロジー上、微妙ですね。文献では散見されますが)[17,18]。また、二重顎の男性に対しては、顎下脂肪の減少および下顎輪郭の改善するために、デオキシコール酸との併用治療を検討してもよい。
     

    プロトコル適用にあたって最適な治療結果を得るための実践的ヒント

    我々は、アジア人男性に対してMFU-V治療プロトコルを適用する際に有用となる実践的なヒントを提示する。本稿では、理想的な適応患者の特徴、快適性(疼痛)管理に対するアプローチ、各治療部位における留意点、ならびに適切なメンテナンス間隔について提言をまとめ、詳細は Table 1に示した。
     

    MFU-V治療を実施するにあたり、事前に適切な期待値の調整と慎重な適応の選定を行うことは、治療後の患者満足度を高める要因となる。治療中および治療後の患者の快適性は、満足度および継続治療のアドヒアランスを高める観点から、重要な要素である [22]。

    患者の快適性は、痛覚閾値や治療部位の違いによって異なるため、疼痛管理においては段階的かつ個別化されたアプローチが推奨される。医師は、患者の疼痛耐性および鎮痛薬に対する禁忌の有無を考慮し、外用麻酔クリーム、経口鎮痛薬、振動デバイス、強制空冷等の手段を適宜選択し、治療前または治療中に快適性を高める戦略を立てることが望ましい。なお、メンテナンス治療については、現行のゴールド・スタンダードガイドラインの推奨に従い、12〜18か月ごとの施行が望ましい。特に最適なリフティング効果の維持を希望する患者に対しては、12月か月間隔での治療も選択肢となりうる。


  • 結果
    臨床例
    本治療プロトコルに基づき、これまでに累計2000名の男性患者に対して治療を行った。Figures 4 and 5 は、治療3か月後に見られる臨床的効果の典型例を示している。
     

    症例1:43歳男性
    この患者は、加齢に伴う軽度〜中等度の皮膚のたるみ および jawlineのもたつきを主訴として来院した。治療目標について話し合い、さらにリアルタイムの超音波画像により顔面解剖を確認した上で、エネルギーレベル2にて計715ラインを中顔面および下顔面(顎下を含む)に照射した。照射の詳細は以下のとおりである:SMAS/superficial fascia :335ライン(4.5 mmトランスデューサ使用)・皮下線維性隔壁(subcutaneous fibrous septa)層:380ライン(3.0 mmトランスデューサ使用)。治療前および治療12週後に、moiré 3D技術に基づくトポグラフィー画像作成機器(F-RAY, BEYOUNG Ltd)を用いて標準化した写真撮影を行った [23] 。評価指標には以下の定量パラメータが含まれ、ImageJソフトウェア [21] を用いて測定されたーzygomatic length、zygomatic angle、perioral perpendicular length、perioral angleー。各指標の定義については、既報文献に準拠しており、補足資料S2に詳細が記載されている。Figure 4は、MFU-V単回治療から12週間後の中顔面および下顔面のリフティング効果をImageJ解析により示したものである。zygomatic length ratioは、治療前0.47から12週後には0.50へ上昇(Figure 4A)。zygomatic angleは、36.76°から34.31°に減少(Figure 4B)。これらは中顔面のリフティング効果とそれに伴う顔のスリム化を示唆する。さらに、perioral perpendicular lengthは、治療前199.91ピクセルから12週後には172.21ピクセルへ短縮(Figure 4C)。perioral angleは、48.39°から51.48°に増加 (Figure 4D)。これらの評価結果は、下顔面領域のリフティングを示し、jawlineの明瞭化につながったことを意味する。
     

    症例2:32歳男性

    32歳男性。主訴は軽度の眉毛下垂(eyebrow ptosis)、jawlineのもたつき、ならびに顔面の横幅の拡大。リアルタイム超音波画像を用いて治療部位を確認し、治療目標を確認したうえで、前額部中央、眉毛外側、眼窩外側・下部、頬部、顎下および頸部上部に対し、合計800ライン(エネルギーレベル2:前述)を照射した。ターゲット層はSMAS/superficial fascia(560ライン、4.5mmトランスデューサー)および皮下線維性隔壁(240ライン、3.0mmトランスデューサー)である。正面写真は治療前および12週後に撮影された。以下のパラメータがImageJソフトを用いて測定された:眉毛の高さ、閉口時の口唇中央(stomion)および下口唇とオトガイ尖端との中間点で(水平線を引いた場合の)顔面の幅、口唇角度(perioral angle)。眉毛の高さの定義と計算法については、補足資料 S3に記載されている 。Figure 5に示すとおり、治療12週後には、自然な眉毛挙上(central-parallel lift)および中顔面のリフティング、下顔面の狭小化、口角の上昇が観察された。具体的には、眉毛高さの平均値(AEH)右側・左側ともにベースライン2.75 cm/2.77 cm → 12週後いずれも2.83 cm。眉毛高さの最高値(MEH)右側3.10 cm → 3.15 cm、左側3.00 cm → 3.20 cm。顔面の横幅 stomionおよび下口唇中間点での顔の幅がともに減少。perioral angle ベースライン47.0° → 12週後51.0°。これらの指標は、全顔のリフティング効果を示しており、結果として上顔面のリジュビネーション効果、下顔面のスリム化、ならびに jawlineの明瞭化が得られた。

    治療結果の評価には、画像撮影や画像解析設定の標準化など、複数の因子が影響を及ぼし得ることを我々は認識している。治療前後の画像の品質を均一化するためには、SEPIA[25]のような標準化スコアリングシステムを採用し、また、同一被験者に対する評価の一貫性を確保するために、画像撮影設定および解析設定を記録し、同一条件下で使用すべきである。

     

  • 結論

    本稿では、既存のコンセンサスガイドラインおよび、さまざまな年齢層・審美上の悩みを有する韓国人男性への豊富な治療経験に基づき、カスタマイズされたMFU-V治療プロトコルを設計するための独自のアプローチについて記載した。このプロトコルは、アジア人男性に特有の顔面の解剖学的特徴および審美的ニーズに対応するよう調整されており、最適な臨床結果の達成を目的としている。我々の経験によれば、本プロトコールを適用することで優れたリフティング効果が得られ、より明瞭なjawlineの形成、二重顎の改善、ならびに顔貌のスリム化といった成果が得られる。ただし、顔の特徴や治療に対する嗜好は人種や地域により異なるため、本プロトコールはあくまでドラフトとして活用し、各患者のニーズに応じて柔軟に修正することを推奨する。また、男性は女性と比較して美容医療の経験が乏しいことが多いため、施術者は治療計画について詳細な説明を行い、タッチアップ治療や他治療との併用の可能性までも含めて、期待値と治療目標を丁寧に擦り合わせることが極めて重要である。

 
 
 
以上となります。
 

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