ウルセラ論文紹介6:アジアにおけるウルセラのゴールドスタンダード コンセンサスガイドライン | 美容皮膚科医の日常ーペルラクリニック神宮前院長 本田淳

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以下本文となります。

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ウルセラの論文紹介6回目となります。

 

こちらは、以前  X に投稿した内容と重複します。また、当院サイトにも参考文献として紹介されています。

 

Customized Treatment Using Microfocused Ultrasound with Visualization for Optimized Patient Outcomes: A Review of Skin-tightening Energy Technologies and a Pan-Asian Adaptation of the Expert Panel's Gold Standard Consensus

 

 

2021年の論文です。

 

以下は簡単な要約となります。

 

  • 背景

    • 皮膚のたるみ治療の主役は、外科手術から非侵襲的な高周波(RF)やレーザー技術等に変わりつつある。
  • 目的

    • 機械によるたるみ治療の安全性と有効性について、文献とアジア人患者に対する臨床経験を比較。
    • アジア人向けの最適なウルセラ治療についてコンセンサスを形成する。
  • 方法

    • PubMed上の文献を検索、分析し、ウルセラと他の同種機器とを比較。
    • アジア人患者に焦点を当て、エビデンスが乏しい場合は内部資料を使用し補強。
  • 結果

    • デバイスやプラットフォーム間の違いと注意点を特定。
    • エビデンス不足の新しい機器が増加している現状を踏まえ、ウルセラ治療の豊富な経験を持つ医師間でのコンセンサス形成が必要。
  • 結論

    • ウルセラは臨床上の要件を満たしており、他の機器・技術とは異なり、十分なエビデンスがある。
    • DeepSEE®技術により、組織を「可視化」し、正確、快適、安全性の高い治療を提供する。
    • ウルセラは非手術的なリフトアップとタイトニングのゴールドスタンダードであると結論付けられた。

 

 

以下は、専門的な追記事項です。ご興味がある方はご覧ください。

  • この研究では、IFUをウルセラ(MFU-V)とその他のHIFUに分けて論じていて、その差異をTable 1にまとめている。

  • 特に可視化機能の有無、欧米での承認状況、査読付き論文・エビデンスの多寡を比較し、ウルセラの優位性を強調している。

 
  • 治療後48時間~10週間の組織反応(創傷治癒過程)が詳細に述べられている。
  1. TCP(Thermal Coagulation Point)周辺でコラーゲン新生、線維芽細胞の増殖、エラストジェネシスが促進される。
  2. 28日目には、隣接する真皮が再構築され、皮膚の粘弾性(viscoelasticity)が向上
  3. 治療後10週間以内に、熱損傷を受けた古いコラーゲンが、新生コラーゲンに完全に置き換わるため、組織は持続的なリモデリング段階に入り、効果は最大で1年間続く。
  • SPT(See-Plan-Treat)ツール(ソフトウェア)により、可視化された組織内部を確認し治療戦略を練ることにより、治療効果をより高めることができる。
  • 3.0mmと4.5mmのトランスデューサーを使用した2層照射による治療では、皮膚のたるみやリフト効果の顕著な改善が見られ、その有効性が複数の臨床研究で立証されている。
  • 患者が耐えうる最高のエネルギーを使用し、かつ適切なライン密度を維持することが重要。
  • 顔面解剖とウルセラのテクノロジーの理解が、治療結果の最適化に重要(Table 2 )。
 
  • アジア系の患者は、高密度のSMAS、深部筋膜との強固な結合、そして脂質に富む角質層を特徴とする比較的薄い皮膚を有している。ゆえに可視化技術は、アジア人にとって、より重要なものであり、その情報に基づいて精度の高い治療を行うべきである。
 
  • エコー特性に基づく組織の可視化(Figures 1B1F

    • 真皮と表皮:均一に明るい領域として表示。
    • 筋膜:脂肪と筋肉の境界として、連続した明るい線状構造を示す。
    • 皮下脂肪:様々な厚みを有するバンド状に表示される。
    • 線維隔壁(fibrous septae):短い曲線や斑点のように映る。
    • 乳頭層と網状層:乳頭層の方が反射が弱く、超音波で両者を区別可能。
    • 血管:暗い領域として表示。
 
  • 皮下解剖の個人差を示す( Figure 2 )
 
  • 韓国製HIFUデバイス(Ultraformer III、Ultraskin、Doublo)に関する有効性・安全性の査読論文は非常に少ない。
    • ウルセラは2009年に米国FDAから 毛のリフトアップで認可済み(2012年顎下・頸部リフトアップ、2014年デコルテのしわの改善まで承認)。Ultraformer IIIは2012年に韓国FDAから承認されているが、米国FDAの認可は取得していない。
    • ウルセラには組織を一貫して60°から70°Cに加熱することを示す査読済み論文が存在する。Ultraformer IIIが65.4℃で組織の凝固を行うとする製造元の主張には、現時点で公開されたエビデンスがない。
    • ウルセラは熱凝固点を正確な深度に形成し、皮膚表面にダメージを与えないことが確認されている。Ultraformer IIIについては、同様の精度や皮膚表面の保護に関する情報が不足している。
    • Ultraformer IIIに関する臨床試験は、顔を対象とした1件、顔とボディを対象にした1件、ボディのパイロット試験1件の計3件しか公開されていない。
    • Doubloは臨床的エビデンスが不十分で、治療効果にばらつきがあるとの報告がある(バージョン、モデルの違い?)。
    • 不適切な韓国製HIFUデバイスによる治療で、症状の悪化が見られたとするケースを2例紹介。
 
  • 一方、ウルセラは、50件以上の臨床研究と90件以上の査読論文がその安全性と有効性を証明。多様な人種、性別、年齢、フォローアップ期間を対象とする研究がなされている。
  • 2019年6月時点で、全世界で150万件以上のウルセラ治療が実施されている。
  • 可視化機能と高精度のTCP形成能により、緻密な治療戦略が可能とであり、さらに各人に最適化した治療により、効果をより高めることが可能。推奨ライン数は、顔面・頸部で800~1200。
  • 東アジアで製造されるウルセラの模造品・偽造品は安価のため、多くのクリニックで導入されているが、安全性と有効性の長期試験が不十分である製品が多い。そのため、それ他の機器に関しては明確なガイドラインを確立するのは困難(2021年当時の状況)。角膜損傷の報告もある。
 
  • ウルセラ治療においてはパーソナライゼーションが重要であり、その上で、組織に加わるエネルギーの質(照射深度、温度、照射量、正確さ)が効果を左右する。
  • 他治療とのコンビネーション(各種注入療法)による相乗効果の報告あり。
  • 以下は、2019年8月、クアラルンプールにてアジア太平洋地域の皮膚科医と形成外科医が集まり、ウルセラを使用する際の患者選択、治療計画、カスタマイズ治療に関する推奨事項について議論し、コンセンサスを得た内容。 
    • 治療計画のカスタマイズ:ターゲット領域のマッピングと患者の適切な選定。年齢、BMI、治療ライン数、エネルギー設定などを考慮した個別化が必要。治療の目的が修復、予防、維持のどれに該当するかによって治療戦術を決定。
    • 可視化機能の利用:適切な照射・ライン数を判断するために必須。
    • 治療間隔:30〜45歳の患者や、早期介入・若返りを求める患者には、24か月ごと、50歳以上の患者では12か月ごとの治療を推奨
    • 疼痛管理:外用局所麻酔の利用。患者が途中で脱落する可能性のある最大エネルギーレベルで加療するよりも、快適性を重視した治療の方が結果が良い。
    • 現在、美容医療領域には、模造品・偽造品と言わざるを得ないデバイスが流通していることへの警鐘。
 
  • スキンタイトニングの今後
    • 膝、大腿、肘、上腕、臀部など、四肢の皮膚のたるみにも有効。
    • 出産後6〜24か月の患者を対象に、皮膚および軟部組織のたるみ治療の検証も行われている。20人の患者を対象として、ライン数1,140(4-MHz/4.5-mmのトランスデューサーでScarpa筋膜、7-MHz/3.0-mmのトランスデューサーでCamper筋膜、10-MHz/1.5-mmのトランスデューサーで真皮~皮下層をターゲット)を照射。重篤な副作用は報告されず、有効であったと報告されている.79 。
    • 以上よりボディの表在性筋膜系が明確な部位にもウルセラは適用できることが示唆された。
 
  • 結論:他機器と比較して、ウルセラは多くの査読を経て公表された科学的・臨床的エビデンスに裏付けられていること、ならびに特許取得済みのDeepSEE®技術により、治療者が非侵襲的に皮膚の内部を観察可能であることが当該機器の優位性を示している。結果として、本治療は時間効率が良く、非侵襲的で、効果が持続する治療を求める多くの患者にとって理想的な選択肢となっている。
 

以上となります。

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