ブレークスルー感染のリスクは・・・ | 美容皮膚科医の日常ーペルラクリニック神宮前院長 本田淳

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今回は、COVID-19に関する医療情報サイトからの抜粋です。

 

《世界で新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のワクチン接種が進む中、流行の主流が変異株に置き換わったことでワクチンの効果減弱が報告されるようになった。米・nference社のArjun Puranik氏および米・Mayo ClinicのJohn C. O'Horo氏らは、米国で緊急使用許可(EUA)を受けたファイザー/ビオンテックとモデルナのmRNAワクチンについてSARS-CoV-2による感染、入院、集中治療室(ICU)入室、死亡のリスクをコホートで評価。インド型変異(デルタ)株に置き換わった今年(2021年)7月時点のブレークスルー感染のリスクは、ファイザー製に比べモデルナ製で44%低いことが分かったと、査読前論文公開サイトmedRxivに報告した》

 

このような記事をお読みになると、

 

モデルナの方がいいのか?

ファイザーの方をすでに接種したので不安だ

モデルナは副反応が多いと聞いていたのに・・・

 

など、色々お感じになることもあるかと思いますが、このような個々の記事、論文に振り回されて行動するのはよろしくないと思われます。

 

コロナ騒動の初期の頃から専門家は警鐘を鳴らしていましたので、ご存じの方もたくさんいらっしゃると思いますが、このような論文はプレプリントー査読前論文と言われ、今後まだ長い期間をかけて精査・検証が必要なものです。

 

要は、今後、結論が変わることもありうるわけです。

当事者である研究者たちにとっては多くのメリットがあるシステムなのですが、メディアや、それによって知り及ぶ一般の人がその情報で右往左往するのは良い結果を生まないように思います。

 

コロナ禍により、メディア報道や個人のSNS発信による情報の取り扱いには、それ以前に比べて大幅にレベルアップした(リテラシーが向上した)と思われますが、より深い情報の取り扱いは専門家でも困難なことがありますので、十分お気をつけください。

 

原著論文