例によって、一般の方が興味をお持ちになりそうな内容に絞って、何点か記載いたします。
・ミラドライの症例数について。少し前のデータですが、全世界で28,000件、日本で10,000件程とのことです。比率的に圧倒的に日本が多いのです。これは、米国製の機器ながら、最初に日本において治験が行われ、その後、当院を含む8件ほどの都内の施設が早期から治療を行い、
北米より早く普及していったからです。
・効果の方は、一般的なデータとしては、1回の治療で汗の量及び腋臭が平均70%減、2回の治療で90%減となっています。そのため2回セットと考える医師・施設も多いのですが、日本では、1回の治療で、できるだけ効果を高めようとする工夫を各施設で行っています。
・その一つの取り組みが、麻酔法の変容です。変容と言っても、意識を消失する麻酔を併用しようという話ではなく、局所麻酔(腋の部分のみの麻酔)の細かな手技レベルの話です。
意識を消失する麻酔は、施術時の患者さんの痛みの解消には役に立つかもしれませんが、施術中のフィードバッグが消えること、麻酔そのもののリスクが増加することから、通常推奨されません。むしろ、局所麻酔に用いる針や手技を見直し、可能な限り麻酔注射の痛みをとることを志向すべきでしょう。
なおかつ、麻酔量を変える(麻酔薬量は変えず、希釈度を変える。具体的には、薄めて、全体の麻酔薬液を増量する)ことにより、安全かつ強力な治療を行うことも模索されています。
正直に言えば、若干の矛盾を含む方法ですので、その点を整合させなければ俄かに首肯できるものではありません。ただ、安全性がより高まることは事実でしょう。
また、新たな情報がありましたらご報告いたします。
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