かなり専門的な内容になりますので、その中で一般の方が興味をお持ちになれるような内容に絞って何点かシェアいたします。
・肝斑の治療として、レーザートーニング(低フルエンスのレーザービームを皮膚に広範囲にむらなく照射することにより、色調の改善・均一化と肌質の改善を図る手技)を行うことには、いまだ賛否両論がありますが、臨床的にはおおむね良好な結果を得ています。
・患者さんは、単にシミや赤みをとるというだけではなく、肌質の改善を意識的、あるいは潜在的に希望されているので、その意味でもレーザートーニングは有用な治療であると言えます。逆に言えば、医師側は、肌質の改善を視野に入れて、他治療器も含めて治療手技や治療計画を考えなければならないということです(当たり前ですね)。
・一方で、肝斑に関して治療抵抗例・悪化例、色素脱失が生じた例が報告されています。レーザートーニングの是非だけでなく、そもそも肝斑(いやもっと広く色素異常症)の診断基準を、あるいは分類を、見直さなければならないのかもしれません。
・肝斑に関しては、内服などの前処置を行うことにより、薬理効果だけでなく、色々な意味での篩(ふるい)効果も期待できるのでは、と個人的には考えています。
・表皮と真皮の間では様々な形態で情報や物質の伝達が行われており、真皮が表皮の状態を制御しているメカニズムもいくつかわかってきています。よって、表皮のトラブルであっても、真皮層まで生体反応を起こしうる、深達度を有する機器を使用もしくは併用することは意義のあることだと発表されていました。
長くなりましたので次に続きます。
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