これは毛孔性苔癬と呼ばれるものである場合が多いのです。
そもそも苔癬とは、乾燥して固定した角化性丘疹です。毛孔性苔癬の場合、毛孔が角栓で閉塞していて、その中に毛が埋没しています。
症状は、まれに痒みがあるくらいで、特に健康上は問題がなく、整容上気にされる場合がほとんどです。
遺伝疾患で常染色体優性遺伝とされています。
発症年齢は、10代が過半数で、20代で35%、30代で12%というデータがあります。
また、ある調査で小学校高学年に20%以上に本症が見られたという報告もあり、決して稀な疾患というわけではありません。
そもそも、30代の頃に自然に軽快する場合が多いのですが、美容皮膚科的な観点から治療を行うこともあります。
保険で行えるものとしては、
①乾燥させると悪化することがありますので、
保湿剤の使用 尿素軟膏やヘパリン類似物質(ヒルドイド)
②角質溶解剤の使用
サリチル酸軟膏など
③漢方薬
ヨクイニン(ハトムギ)
保険外(自由診療)で行うもの
①ケミカルピーリング
フルーツ酸(AHA)、サリチル酸
②脱毛レーザー
埋没している毛の脱毛を行うことにより、
改善する場合があります。
③フラクセルなどの、フラクショナルレーザー。
肌の入れ替えをはかる機器です。
以上のようになります。
ご参考までに、同症とよく合併する疾患として、顔面毛包性紅斑黒皮症というものがあります。
思春期の男性に多く、耳前から上顎にかけて、毛細血管の拡張による赤みと、色素沈着が混在する局面があり、まれならず見かける疾患です。
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