卑下慢 | 美容皮膚科医の日常ーペルラクリニック神宮前院長 本田淳

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一美容皮膚科医の想い

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ペルラクリニック神宮前院長
本田淳のブログ

 「いえいえ、私などは・・・」とニヤケながら言う人がいる。一見、謙虚のように見えるが、真情は違う。何らかの打算の元に、自分をわざとおとしめるような表現をしているのだ。

 「何をおっしゃっているのですか、あなたのような凄い方が」という反応を期待していたり、「私はこんなにも謙虚で素晴らしい」と、正反対の傲慢な思いを隠している。

 謙虚とは、そもそも上下関係を明瞭にするという話ではなく、むしろ対等、公平な立場を示すもので、自然体から発せられるものだと思う。だから、若いうち、力が足りないうちに、真に謙虚たろうとするのは事実上困難だ。
 しかし、いい大人が、何事にも「いえいえ、私などは・・・」というのは、いただけない。本当にそういう状況であれば、「申し訳ございませんが、その点に関しては私の力の及ぶところではありません。」と真摯に詫びを入れるべきところだ。

 仏教で卑下慢と称されるこのような態度は、他人に対して非礼であるばかりでなく、自分の可能性も知らず知らず潰しているという点でも罪が重い。