自臭症 | 美容皮膚科医の日常ーペルラクリニック神宮前院長 本田淳

美容皮膚科医の日常ーペルラクリニック神宮前院長 本田淳

一美容皮膚科医の想い

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ペルラクリニック神宮前院長
本田淳のブログ

 自臭症とは、客観的には強い体臭や口臭がないにもかかわらず、自分は臭いと周囲の人から思わていると思い込んでしまう疾患です。非常にナーバスな問題ですが、腋臭の治療に長年携わっていますと、時折このような方がいらっしゃいます。
 経験のある医師は、自臭症の方の定型的な発言を知悉していますので、その疑いがあれば、いきなり何らかの施術を行うことはまずありません。ところが、病院の収益になるからといって、安易に手術等が行われてしまうことがあります。あるいは、定型パターンの一つである、「今日は臭いがしないが、普段はある。」という発言を鵜呑みにする(もしくは、騙されたふりをする?・・性質が悪いですよね)のでしょうか?
 結果どうなるか。自臭症なので、当然施術を受けても治りません。すると、「自分は治療しても効果がないほど重症なのだ。」とさらに負のスパイラルに入ってしまいます。このような流れで、腋の皮膚が傷だらけになるまで手術を受け続けている人も何人か診てきました。
 医師側としては、「適応がないので施術はできません。」という当たり前の対応をしないことが問題と言えます。