ノルマ | 美容皮膚科医の日常ーペルラクリニック神宮前院長 本田淳

美容皮膚科医の日常ーペルラクリニック神宮前院長 本田淳

一美容皮膚科医の想い

東京都渋谷区 原宿 表参道
ペルラクリニック神宮前院長
本田淳のブログ

知人の美容皮膚科・外科のクリニック院長(いわゆる雇われ院長)から、当該施設の経営者(一般的に、医業とは無関係な業種の人や組織の場合が数多ある)に過酷な売り上げノルマを課されて辛い思いをしている、という趣旨の話を聞きました。良心的で真面目な医師ですので、言わんとすることはよく分かります。
 
 そもそも、雇われ院長と経営者の契約内容によっては、医療法に抵触する場合もありますから「危険な」様態とも言えますが、それはおくとしても、実態をよく把握していない、医業としてのビジョンがない者から、何の妥当性もない数字を提示されても、納得できるのものではないでしょうね。
 現実的な経済感覚を持っていることが前提でしょうが、目的とするものが、「利益(率)を上げる」「分院をたくさん創る」という医業の本質とは方向性が違ったり、「手段」と目的を取り違えているような場合、そこに通う患者さんにとっては不幸でしょうし、長い目で見れば、そんな施設は廃業に追い込まれることでしょう。
 やはり、受診される方が現段階で最善と考えうる医療が受けられる体制を整え、同時に将来をも俯瞰し、継続的に「より良き治療、施術」を提供できるよう戦略的に蓄える(拡大解釈してはいけませんが)というのが理想だとは思います。しかし、後者は私の性格上、難しいものがありますね。現在の日本、いや世界的な経済事情は厳しいフェーズに入っていますが、ぶれずに患者さん中心の診療を続けていきたいと考えています。