最近、「伝説」と称される営業マンの伝記を読みました。保険のセールスで驚異的な成績を残した方らしいのですが、その手法は、「営業」というより「修行」「全人格をかけた戦い」といった方が相応しいほど壮絶なものでした。仕事の成果を得ようという目的があるにせよ、よくぞここまで徹底的に「相手」のことを考え、思いやり、同時に自身の能力を極限まで磨こうとした人は稀有ではないかと思えるほどです。
個々の逸話も凄いのですが、御自身のポリシーを簡潔に述べておられる言葉に感じ入りました。曰く、
「私は、旅行会社にいる時に旅行を売っていたわけではないし、広告代理店にいる時も広告を売っていたわけではありません。今も保険を売っているつもりはありません。お付き合い頂いている人々が困っていたり、課題になっていることの解決策を提案しているのです。」つまり、解決手段としてたまたま保険を売っているという認識だということです。同じ趣旨の言葉を他のプロからもお聞きし、以前ブログに書きましたが、当然のことながら、小手先のテクニックで省エネ、楽にという発想ではたかが知れているということだと思います。どんなに世の至る所で利便性が向上したとしても、人間の本質など変わりようがありませんので、いかにそこに迫れるかが鍵なのでしょう。