Sirtuin | 美容皮膚科医の日常ーペルラクリニック神宮前院長 本田淳

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 最近テレビでも紹介されましたが、Sirtuin(サーチュイン)に関する話題です。
 
 少しややこしくなりますが、Sirtuin とは、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)のクラスⅢ(NAD依存性脱アセチル化酵素群)の総称です。そのSirtuinファミリーの中でも、特に酵母・線虫をモデルとした研究で明らかになった、Sir2は長寿遺伝子とか寿命制御因子などと呼称されています。
 
 人間のSirtuinは、7種類のサブタイプがあり(SIRT1-7)、寿命制御他多くの課題の元、研究が進められているようです。
 
 このSurtuinは、(必要な栄養素は確保した上での)カロリー制限や持続的運動によって活性化され、総体的に生体の寿命を伸ばすとされており、具体的には各種臓器の抗老化作用を有します。

  SIRT1は、Sir2と相同性が高く、これまでも多くの研究成果が得られています。このタンパク質は、細胞分化、寿命、老化の制御に関わっており、各論的には、糖尿病やアルツハイマー病の発症にも関与していることがわかっています。そのため、創薬の見地からも活発な研究がなされています。

 SIRT1を活性化する物質として、レスベラトロールが注目されていて、既に多くのサプリが販売されています。もちろん、医薬品レベルでのSIRT1活性剤も研究が進んでいます。数年前、レスベラトロールより遥かに高い効果を持つ物質が見つかったと発表されましたが、色々あって、実際の創薬に結びついてないようです。
 
 レスベラトロールの1000倍の活性を有する物質ならいざ知らず、レスベラトロールを摂ったからといって、カロリー制限をしなくてもいいかというと・・・甚だ疑問です。