よく小説家や漫画家、あるいは役者といった方々が、自分が作った(演じた)キャラクターが「一人歩きする」現象を経験するという話を聞きます。
これは表現者が、「このキャラであれば、この状況下では、このように語り、行動するだろう。」という事を考え続け、実際に媒体などに表現することにより、そのキャラが現実の人格を持った存在であると自然と認識してしまう状態なのでしょう。精神医学的には、何か切り口がありそうですが、私は専門ではないので明言できる立場ではありません。
いずれにしろ、そのような状態になれば、表現者は強いて考えることなく、キャラが半ば勝手に表現を始めるようになり、物語は進展していきます。
これと似た現象を、最近「クリニック」に感じることがあります。私が、私財を投じて立ち上げた施設ながら、何か「人格」のようなものを持ち始めたような・・・幸いなことに、高潔で理想に燃える芯の強さを持っているようで、運営している私の妥協や手抜きを許してはくれません。もちろん私だけでは、クリニックを運営できませんので、多くの方のご協力を仰がなければなりません。
この現象には、負の点もあり、「キャラの暴走」という現象も起き得るそうです。過剰な個性の肥大化が、悪い方向に進み、社会的な問題になることがあるとのこと。あまり大きな声では言えませんが、この美容医療の業界(?)でも、そのような例は実際にあります。このあたりの手綱は、きちんと締めておかねばなりませんね。