「同じレーザーを使っていれば、どこのクリニックで治療しても効果は同じですか?」 このような質問を受けることが最近非常に多いですね。
患者様が一生懸命情報を集められ勉強され、結果湧いてくる当然の疑問だと思いますが、なかなか正確にお答えするのが難しい事案です。
あるレーザー治療機器が世に出るまでには、当然のように臨床的な試験が行われます。その過程で何人かの医師が関わり、機器のパラメーターの設定、照射テクニックが検討されます。そして、最大公約数的なプロトコールが作成されます。
その後、普及した機器は多くの医師にその臨床的効果を検証され、学会などで議論されることにより治療ソフトがブラッシュアップされていきます。
ここまでお読み頂ければ自明のことと思いますが、少なくとも医師であれば、治療マニュアル・プロトコールが最大公約数的なもの、最低レベルを担保するためのもの、という認識がある筈です。また、実際に機器を使用するにあたって、ケースに応じて柔軟に治療ソフトを運用する、ということが出来ない医師などは存在しないでしょう。この前提に立てば、どこで治療を受けてもあまり効果は変わらないということになります。
しかし、医師個人の経験やセンスの差、そして一般に言われるような職人芸的な部分の違いは、個体差として生じるのも当然のことです。ただ、その辺りの情報を集め優劣を決めるなどということは、現実的ではないことも事実です。
ですから、冒頭の質問には、「基本的に大きな差異はないと思いますよ。」とアドバイスせざるを得ないのです。