ビタミンC | 美容皮膚科医の日常ーペルラクリニック神宮前院長 本田淳

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ビタミンCというと、果物などに豊富に含まれているありふれた栄養素の一つといったイメージがありますが、美容皮膚科医にとっては、強力な抗酸化作用を持った、欠かせない治療アイテムの一つです。その主な作用として、メラニンの産生を抑えること、コラーゲンの形成と維持を調節することなどが挙げられます。


 内服薬、外用のクリーム、化粧水など様々な形態がありますが、外用塗布するものに関して書いてみようと思います。


 ビタミンCは水溶性のため、化粧水のような製剤を作るのは比較的簡単なのですが、ただのビタミンC(アスコルビン酸)の化学構造では、皮膚への浸透率が極めて悪いのです。 そこで開発されたのが、ビタミンCの誘導体


 化粧水によく使われているのが、リン酸アスコルビン酸ナトリウム(VCP)です。リン酸アスコルビン酸マグネシウムという誘導体もありますが、前者の方が使用感がいいようです。また濃度を高くすると、効果は多少上がるかもしれませんが、つっぱり感が強くなるので、私のクリニックでは5%に調整したものを提供しております(さらにヒアルロン酸を配合しておりますのでしっとり感もありますし、抗酸化作用を強調するためαリポ酸も加えてあります)。もっとも、最近20%ビタミンC誘導体で使用感がわりといい商品をアメリカで見つけましたので、近々ご紹介する予定です。

 また、イオン導入により、ビタミンCの浸透率をさらにあげる手法も非常に効果的です。


クリームやゲルとして使われているのが、イソパルミチン酸アスコルビン(VCIP)です。これは、脂溶性の基材との親和性に富むため、従来困難だったクリームなどの配合を可能にしたビタミンC誘導体です。


 そして、最近よく見受けられる新しいビタミンC誘導体が、アスコルビン酸リン酸パルミチン酸ナトリウム-APPS-です。その安定性、浸透率、使用感すべてにおいて従来の誘導体を凌いでいると言われております。当クリニックでは、美容液の形で、しかも、やはり抗酸化物質であるビタミンEをコンビネーションして提供しております。