※当時の記録をもとに記しています。
- 2011年5月 -
病院での卵巣がん治療が終わると、
通院の回数が減るとともに、
自分と向き合う時間が増えてくる。
そうすると、
棚上げしていたものが下りて来る。
卵巣がんの告知から
置き去りにしていた心が…。
子宮・卵巣の喪失感、将来への絶望感が
一気にあふれ出す。
夜も、なかなか眠れない。
朝、目が覚めても嫌な気分。
なかなか起き上がれない。
起きる意味が分からない。
現実を受け入れられない。
“早く悪夢から覚めたい!”
と無性に思う。
*・*・*・*・*
買い物へ出かけると、
親子連ればかりが目について
気分が沈む。
家に居ても、
外から聞こえる幼い子どもの可愛らしい声や、
女性のハイヒールの足音、
外を歩いている人を見るだけでも
気分が沈む。
抗がん剤治療中は、
治療スケジュールをこなすことに
一生懸命だった。
副作用から体が回復してきてから
次の抗がん剤治療が始まるまでの
限られた数日間は
意欲的に行動していたが、
治療が終わってやるべきことがなくなると、
行動する気力が湧かない。
*・*・*・*・*
術後の喪失感、気力低下が激しく、
日常生活に支障をきたすため
臨床心理士さんのアドバイスで、
同院の精神科にかかり、
薬を処方してもらう。