※当時の記録をもとに記しています。
- 2010年10月 -
退院から2週間後、
卵巣のう腫の手術結果を聞きに
病院へ行く。
退院日が休日で
入院費の支払いができなかったため、
婦人科予約時間の前に
自動支払機で入院費の支払いをした。
すると、
領収書の横に記載されている
次回の予約欄に
「10月○日手術」
と、あった。
??
身に覚えのない予約…。
嫌な予感…。
その後、
院内のコンビニ入口にある
ペットボトルのキャップ回収BOXに
自宅でためておいた大量のキャップを入れようと、
プラスチックBOXのフタを開けた時、
指を擦り剥き、血が出た。
またまた嫌な予感…。
婦人科の受付をして、
椅子に座って待っていたら、
看護師さんが来て、
今日は初診が多かったので
1~2時間待たせてしまうとのこと。
一旦家に帰ることにした。
*・*・*・*・*
血が出た指に絆創膏を貼って、
再び病院へ向かう。
婦人科で呼ばれたのは
一番最後だった。
診察室へ入り、早々にA先生が、
「手術の結果、悪性でした。」
と言った。
私はガクッとうなだれた。
「さっき入院の会計をしたら、
予約票に『手術』って書いてあった…」
と、苦笑しながらつぶやいた。
「あ、見た?」
と、明るいA先生。
よくドラマとかで見る
深刻な『がん告知』のイメージとは違って、
ちょっと拍子抜けのする告知だった。
「腹水に悪性反応があった。Stage 1c以上」
とのこと。
A先生から2回目の手術(卵巣癌根治術)
の説明を受け、
その後、術前検査の尿検査、血液検査、
心電図、胸部レントゲンを撮って帰宅した。
*・*・*・*・*
手術の結果は『悪性』でショックだが、
まだ他人事のようで実感がない…。
一般的な、『癌』のイメージとは、
すぐに結びつかなかった。
私自身、まわりにガン罹患者がいなかったので、
ガンに対するイメージもあまりなかった。
ただ、
人生の分岐点に置かれていたコマが
悪い方へ進むとは…。
まだまだ続くんだ…。
先が見えなくなった…。
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「99%良性」と言われていたので、
万が一、悪性だった場合、
2ヵ月後と3ヵ月後に予定している
コンサートには行けなくなる…。
そのくらいしか、
想像していなかった。
子宮・卵巣を摘出する、
子供を産めなくなる
生死にかかわる…
といった『悪性』の持つ意味を
想像していなかった。
というか、恐ろしくて
考えないようにしていたかもしれない。
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