玄関横のヒイラギナンテンの葉の裏に、蝉の抜け殻がまだ頑張ってくっ付いています。
もう秋なのに、何か似合いません。
蝉はそのほとんどの生涯を地中で過ごし(7年間)、わずか1週間(これも諸説あるようです)を地上で活動したあと、死んでしまうと言われています。
夏の風物。夏に木々で、雌を呼んでうるさいほど鳴きまくる蝉の声”配偶行動”も、この世の最後が近付いてきたことに他なりません。
雌を見つけてつがいで交尾をした後、雌は枯れ枝などを探し、そこに産卵管を突き刺してたまごを産みつけていきます。沖縄地方のイワサキクサゼミは、サトウキビなどの葉に卵を産み付けます。
ニイニイゼミやハルゼミの卵は、産卵後、約40日で孵化します。それに対してアブラゼミやミンミンゼミの卵はそのままの状態で年を越し、翌年の7月ごろに孵化します。
孵化した幼虫は薄い膜をかぶっていますが、すぐ膜をぬぎます。これを1令幼虫といいますが木から地上に落ちて、地中にもぐっていきます。
土の中にもぐった幼虫は、周りの土を固めて部屋を作り、木の根から樹液を吸いながら脱皮を繰り返して成長していきます。
蝉の幼虫は、長い幼虫時代を過ごします。アブラゼミは幼虫は5年間地中で過ごし、孵化してから6年目の夏に地上に這い出します。
何故、長い間地中で幼虫時代を過ごさなければならないのかは良く判っていませんが、理由の一つとして栄養分が考えられます。木の根の汁は水分が殆どだからです。
成長した蝉の幼虫は、唾液や尿で土を固めて、前足を使って坑道と呼ばれる地上に通じるトンネルを作ります。
トンネルを伝って地上に出た幼虫は近くの木や草に這い上がっていきます。
この後どうなるのかは、実際観察されている通りです。
そして、地球温暖化の影響が蝉の一生に深くかかわるようになってきました。地上での生活がわずか1週間ほどと言われていたのが、わずか4日と言われるようになってきています。