ムクゲ:漢名木槿の音読にもとづいた名前。中国・インド原産。白や花底が紅のものや、八重咲きの品種もある。
木槿といえば、私はすぐ彼の国のことが頭に浮かびます。あえて朝鮮と言いましょう。朝鮮半島といっても良いかも知れません。
国花というのがあります。読んで字のごとくで、その国の象徴であったり、シンボルであったりその国を代表する花です。
日本の国花は桜です。中国は牡丹・英国はバラです。
英国人がバラを好むのは英国王室のシンボルがバラであったことにもよるでしょう。
中国が牡丹であるのは、花の王と呼ばれるこの花が文明の中心である中国にふさわしいもの、つまり、中華思想の象徴的な花であったからでしょう。
日本の桜について言えば、古代においてはコメとともに大事な生産力を象徴していたらしいと考えられます。
朝鮮民族の人々が親しみを感じる花はもちろん無窮花ですが、人々と、無窮花とのかかわりには長い歴史があります。
朝鮮末期と日本の植民地統治時代。無窮花は自主独立と愛国の旗印になりました。
日本の植民地統治時代に、「無窮花づくり運動」が各地で起こりました。
この運動を提唱したのは啓蒙家・南宮憶という人で、彼は田舎から何十万株もの無窮花の苗木を地方の学校、教会、家庭などに配りました。
朝鮮総督府は、それが朝鮮独立の不穏な動きであるとして、南宮憶を逮捕監禁する一方で、朝鮮半島全土で、無窮花の植樹禁止と伐採を命じ朝鮮半島中の無窮花を根絶やしにしようとしました。その代りとして桜の植樹と普及を強制しました。
しかし、日本のいかなる強権を持ってしても、無窮花が朝鮮人の心から離れることはありませんでした。
夏が近づけば花を咲かせ始め、夏中花を咲かせ続ける無窮花という花が歴史の中でもまれ、悲しい時代を過ごしたということを、心のどこかに留めておきたいと思うのです。
