ヒャクニチソウ : いつまでもしおれないで、長期間鑑賞に耐えるので、百日草という。別名を浦島草。メキシコ原産。
信心深い老人たちは仏壇に供える花が早くなえてしまうのを心から忌み嫌うので、仏花として、仏壇に供えるのも長いこと花の生命を保ち続けるからなのでしょう。
--------------------
3歳のとき、母に連れられて母の実家のある青森県の五所川原に行きました。
第一場面 : 玄関脇に百日草の花がたくさん咲いています。私は、その花を2~3本摘んで片手に握り締めています。自分が履いていた赤い鼻緒のゲタがとても印象的です。
第二場面 : 家に戻って玄関の戸を開けた途端、見知らぬ光景が目の前に広がりました。一瞬、何が起きたのかわかりませんでした。私の履いていた下駄のガタゴトする音が耳に響いてきました。(多分土足で板の間に上がりこんだのでしょう。)どうすればいいか分からなくなって、『ウァー』と大声で泣きました。
第三場面 : 知らないお姉さんに抱っこしてもらって、他のおばさんから玉子焼きをを一切れ頂戴して食べました。美味しかったのでもう一切れお代わりをしました。さかんに『何処から来たの』と言う声がしていました。
第四場面 : 気がつくと母とお婆さんと私を抱っこしてくれていたお姉さんが話していました。ホッとした気持ちを覚えています。
迷子の初体験でした。後で聞くことによると、百日草の花をとりにでかけて、帰ってこないので捜していたとのこと。家の構えが似ていた料理屋さんの裏口から入っていったらしいのです。「迷子」と言われてすごくショックでした。なぜ、玉子焼きが出てきたのか後で理由がわかりました。
三歳の時の記憶です。これだけ詳しく覚えていたということは、記憶力が良かったのか、あまりにもショッキング~なことだったからなのか。今になれば幼い日の良い思い出です。
