ガレノスは誰

私たちは、ガレノスの偉業を再び見直し、それを現代に生かすべく「日本ガレノス協会」というNPOを作りました。

このガレノスですが、ペルガモン生まれ(現在のトルコ・ベルガマ)129年に生まれたとされています。澤井先生の翻訳されたマターン著の「ガレノス」という伝記に詳しくその生涯が書かれています。これは歴史学者が書いているので、想像などではないガレノス文献から確認して書かれたもの。信憑性はとても高い。

 

ではどんな仕事をしたのか、というと400冊ほどの本を書き、今でも半分は残されていて(当時はパピルスに書かれていて、その後羊皮紙に転写された)、批判されているけれど、実は今の医学の元になっているのは現在でも変わりはないのです。

 

「医学の歴史」という読みやすい漫画があります。一人一人の偉人が面白く書かれていますが、ガレノスのことはよく書かれてはいません。ガレノスの死後にそれを権威化してしまった人たちがいたからでしょう。ガレノスの呪縛と言ったりして、今の現代医学においてのガレノスの存在の位置づけなのです。

順天堂大学のガレノスの研究者の坂井建雄先生の著書も参考になります。漫画「医学の歴史」書評

イリフ先生の新しい知見

さて、ここまでは、「過去に素晴らしい医学者がいた、しかし古い方法で単なる経験医学にすぎない。」という視点でのガレノス談になる。
残念ながら、これが今の医学のスタンスなのです。しかし、2016年に面白い研究が報告されました。
 
少々、バックグラウンドを説明しましょう。
 
解剖学の常識では、「脳にはリンパ管がない」なのです。
でも、どうしてでしょう。そんな事を考えた人はいなかったことでしょう。リンパ管がないということは、家に下水がない事と同じです。
排泄したものに脳細胞は浸ってしまいます。そんなあり得ない話なのです。
しかし、どうして、、、というのを突き止めるには、その測定技術が進まなければできません。
 
生きている標本を見ることはとても難しく、固定という技術で固めてしまいます。そして染めて観察をする。それが長い期間、常識でした。しかし、近年生きた細胞を見ることが出来るようになり、物質の移動や形態変化も見られるようになってきました。
(私がラボで研究していたころは、解剖学手法は必ず固定せねばならず、生理学手法は如何に生かした状態で応答を計測するかと二手に分かれていました。)
 
そして、脳にリンパ管がないのは、
寝ている間に、神経細胞が収縮して血管との間に隙間が出来て、そこを排泄物が移動していくという仮説を新しい手法で証明をしたのです。
 

ですが、これは実はすでにガレノスが書いていたことと結果的に同じでした。

TEDのサイト日本語字幕

18秒くらいから 7分40秒から ガレノスの話

 

この研究はこれだけではありません。その先があります。アルツハイマー病のアミロイドβの除去が上手くいかないことで、その病が起こるという仮説が立てられ、そこからまた研究が進んでいます。

 

このように、ナンセンスだとされていた古代の医学者の知見からまた再び新しいことがわかっていく、これは素晴らしく面白いことであり、伝統医療とされているものは、その中に真実もあり、新しい研究手法で解明され、未来にも繋がっていくということです。

 

温故知新という言葉にあるように、長い経験医学の中には、その観察という点では沢山の被験者がいたことになり、その蓄積を捨てる必要はなく、表現が現代的でなかったり、あるいは証明手法がなかったりというだけで、ガレノスの著作の中には沢山の興味深い彼の仮説があります。それは洞察力が高かったのだと思うのです。

 

これらは日本の伝統医学でも、インドの伝統医学でも同じことだと思うのです。

 

さらに極論すれば、なぜなのかの理由なんて必要なく、治れば良いではないかともなるのです。

東洋の鍼灸なども、なぜなのかは現代医学的には説明が出来ないのだけれども、でも治せる。そういう科学ではないというものも、長い人類の歴史の中には存在して、生活の知恵として存在している、こちらの方が本来は正しいのかもしれません。

 

つづく

ガレノスプロジェクトを広める為、小さな支援をお願いします。どうかどうか一押しください。

にほんブログ村 海外生活ブログ トルコ情報へ
にほんブログ村

 

 

ガレノス・プロジェクト

ヒマワリ日本とトルコ・ベルガマを学術的、医学的薬学的、文化的に結び付けるガレノスプロジェクト。どうかどうか応援してください。

もみじ沢山の個人の皆さま 団体の皆さま 企業の皆さま 皆様のお力で、「小さな街の小さな博物館が世界を変える」プロジェクト

ガレノスプロジェクトをご支援くださいませ。

特定非営利活動法人日本ガレノス協会