うーん。なんて言えばいいんだろう。
うーん。
まあ、みんなわかるかな。
うんこが出たんだ。おっきいのが。
わかるかな?
びっくりするよ。あの大きさ。
推定25cmくらいかね。
いや、25cmは軽く越えたな。
そりゃ出すときは結構踏ん張りきかせたよ。キバったよ。もうしかめっ面だよ。
でもあんなでっかいのだとは思わなかったよ。
おかしな話だよね。
だって、無意識なんだもん。ケツ拭いて流そうと思い、立ったときに推定25cmを確認したんだもん。
だいたいね、便器の奥に沈んでいるケツから最初に出たであろう下半分(12,5cm)のうんこは黒いくせに、後から出たであろう上半分(残りの12,5cm)は茶色いんだもん。
写メろうと思った瞬間には僕の左手は「大」のボタンを押してた。流れた。
大便器の水が流れるときって、ほんとに「水に流す」っていう言葉が似合うくらい威勢よく渦巻いて流れるでしょう?すべてを流してくれるみたいで気持ちいいんだけどさ、今回はヒヤヒヤしたよ。推定25cmが流れ割れするかと思ってね。
そんな僕の心配をよそに推定25cmは上手に流れに身を任せて推定25cmのまま、そのままで下水道という獣道に挑みやがった。あいつほんとに。
かっこいいぜ。あの後ろ姿。泣けてきたぜ。
換気扇と汚水(せいすい)が流れる音だけが僕を包み込み、妙に悲しくなった。しかし泣くのはやめた。だってあいつ、推定25cmが、いや、推定25cm越えが挑んでんだ。そう思うと逆に泣けてくる。ちきしょう。
そしてトイレの小さい窓を開け、空を見上げて敬礼した。それと同時に自動の便座ふたがこれまた静かに閉じた。
余生でまたあの大きさのうんこに出逢えるだろうか。いや、違うな。出逢わなくてもすでに僕の中に推定25cmは残ってるんだ。
無意識で出逢ったあいつがこんなにも僕を。ばっかやろう。
今日初めて無意識ってのが気になった。気になってしかたないよ。
必ずこの世界に無意識で生まれた物事がたくさんあると思うんだ。推定25cmがそうだったように。
幸せとか不幸せってのは、無意識によるものなんじゃないかな。ふとしたときに幸せだったり不幸せだったり。幸、不幸なんて紙一重だよ。うん、きっと。
さよなら。
あれ、フジテレビのF1のテーマソングってGREEN DAYのAmerican Idiotになったのかな?
グラビアなら簡単にワキなんて見える。でもそんなんじゃないんだ。Tシャツ越しのワキがいいんだ。ワキ汗なんてかいてたらどれだけいいのだろう。
抱きしめたい。