我が社の商売は、価格的に高い商品を製品力で販売するのが基本である。

実はちょっと前に、弊社にとって大口顧客の商売を失う危機があった。

製品力に絶大なる自信を持っていただけに、競争入札までにはいたらないだろうと思っていたが、何のことは無い、性能には何の問題も無くトントン拍子に入札までたどりついてしまった。

正直、価格競争では100%勝ち目が無く、入札開催決定はつまり、我が社の商売が無くなることを意味していた。そして、そのモノの流れが止まることはいろいろなところで影響が出ることも予測できていた。

絶望的な気持ちでその商売を諦めかけていた時期、ある人よりアドバイスを受けた。

”とりあえず、やれることはやっておこう”、そう思って資料を締め切りまでにまとめ、入札価格と一緒に提出した。

”人事を尽くして天命を待つ”

果たして結果は、逆転ホームランともいえる我が社の勝利。担当の方に話をきいたところ、価格では完全に競合が有利であったが、資料の件も含めて検証した結果だとのこと。

”諦めない”ことが、いかに大事かを再認識させてもらえる出来事だった。

我が社のビジネスは3種類に分けられる。


1.転売
2.メーカー採用
3.プロジェクト


1.転売
そのまま、仕入れた商品を転売するビジネス。販売先はエンドユーザーから商社まで多岐にわたる。これまで競争力のある商品を有利な条件で仕入れることが出来た為、売上と利益を稼げる割には労力が必要でなかった分野。ただ、この分野の売上が稼げたために、既存顧客の対応が仕事のメインになってしまったのが会社の現状である。

そして労力があまり必要でない分、差別化をすることが難しく、競合製品はもちろん、同じ製品での他ルートからの低価格見積もりなど、価格競争にならざる終えない状況に陥っている。
スタッフに求められるスキルは、顧客の要望を迅速にキャッチしそれを実行する能力。また、まずは社内で効率の良いフレキシブルなロジスティクスの仕組みづくりが必要。さらに、継続的に売上を上げるためには、顧客を巻き込んだ業務効率化提案能力が必要となる。


2.メーカー採用
基本転売なのだが、メーカーが新たに装置を開発したり、既存の装置の見直しを行う際に、核となる製品の採用を提案するビジネス。採用されるまでは時間がかかるが、一度採用されると定期的に注文を受けることができ、また、顧客との関係から他からの攻撃にも対応に準備ができる分野。この分野の売上は会社の安定に貢献する。

スタッフに求められるスキルは、まずは知識。【製品】についての知識、モノから発生する様々な【現象】についての知識、そして、装置などの【アプリケーション】についての知識。マネージャーは、スタッフへのその【知識】取得のためのシステムづくりと、顧客発掘から訪問、提案、採用にいたるまでの行動計画管理が求められる。


3.プロジェクト
ひとつひとつのプロジェクトを自分で見つけてきて、顧客の要望を満たすための企画・提案を考え、それに必要な製品をまとめて納入する。

ポイントとなるのは、”顧客の要望を満たす企画・提案”という【知】の部分と、顧客を惹きこむための【魅】の部分、そして、プロジェクトのスタートから完了までの主導権をもち成功させるための【統】の部分。
マネージャーは【知】【魅】【統】の部分について、どのスタッフがどの部分を受け持ち、そして、どのように能力の習得とレベルアップをするかのシステムづくりと、ターゲットとなる顧客やアプローチ方法の行動計画管理が求められる。




現在、我が社は1.転売の部分が大きいため、今後は2.メーカー採用と3.プロジェクトの部分の売上をもっと増やし、それぞれが3分の1の比率としたい。そして、そのための組織作り今の会社には一番必要なのだと思う。


その組織作りをするための草案作りが、今の自分の使命なのだ。

新人・中途採用者のトレーニングは、他社はどのようにしているのだろうか? 残念ながら弊社においては、そのシステムが確立されていないので、彼らが入社後、1日ぐらいの概要説明の後はOJTとなる。

そのOJTも他のスタッフの意識や仕事状況によるものが多く、結果、新人が十分に学習や業務で活躍できなかったりする時間が発生してしまうことがある。

根本的な原因は、スタッフに必要とされる能力を明確にしていないことと、それを学習するための教材がないこと、また、どのようなスケジュールで必要な能力を学習していくのかをシステム化していないことなのだと思う。

なんとなくそんなことを考えながら自分のPCのハードディスクをチェックしていたら、本日、他社で受けた製品についてのトレーニング資料をいくつか見つけることができた。その資料はまさに、新人が入社した際に勉強するべきことを説明できる資料であった。

おそらく、他のスタッフも、似たような資料をPCだったり紙でもっているのだろうと思う。なので、後は私の方で、スタッフに必要とされる能力の基本シートをつくって、それとトレーニングとの関係性をわかるようにすれば、社内でもトレーニングのシステムを構築することが現実的になりそうだ。

企業は人

その人をつくりあげる仕組みづくりを、つくりたいと思う。