これも代々木のある場での講座の感想

この間のルシエル&芳垣先生による「アニメで分かる占星術の仕組み」第一回、超面白かった。https://m.facebook.com/story.php…
『超時空要塞マクロス・愛覚えてますか』
この一つの物語が、見事に占星術的に分解されてしまった。ルシエル氏的に言えば、「物語の因数分解」
まず驚いたのが、公開初日の正午のチャートの天体の配置の分析である
 


(「愛おぼえてますか」、愛、つまり人と人とを溶け合わせる触媒。やはり圧倒的に水サインが多い)。

これにかんしてルシエル氏はアングルや天体のサビアンシンボルを読みとき、芳垣氏はホラリー的な解釈を披露した。
 
 
 
まず月は蠍座の1度にあり、天秤座29度の冥王星とコンジャンクション。このままいけば蠍座半ばにある火星と土星のコンジャンクションへと向かうというところにある。
つまり冥王星の示す侵入と破滅(地球が攻撃に巻き込まれ破壊されたこと)を経てきて、これからさらなる戦火と苦悩や不自由(地球へと戻る途中に滞在していた土星の衛星で主人公やリン・ミンメイは巨人族ゼントラーディたちに捕縛されもする)を味わう
ということが端的に示されているのだ。
 
 
 
サビアンとのものすごい符号具合も、ちょっとだけ講座のネタバレになるけど、いくつか例を紹介
 
 
☆アセンダントの度数は天秤座の15~16度。
天秤座15度のシンボルは「嵐のあとに、船が修理を必要として上陸し、停泊している」
まさに物語の発端は、巨人族たちの戦いのとばっちりを宇宙戦艦マクロスが受けたことからである。
 
 
☆月は蠍座の1度「香水の瓶が割れて中の香りが広がる」
これは、(前半に、まさに!というシーンがあるんで面白いのだが、)巨人族たちが人間たちの歌や様々な文化に出会い「カルチャーショック」を受け、反発しながらも感染していく様を言っているよう。
 
 
☆MCは蟹座18度で「結婚の儀式をとり行う司祭」
まさに、内なる男性性と女性性の融合、がテーマの映画である。
 
 
☆MC近くにある太陽は、
蟹座15度「古い書物を頼りに、自分の前にあるマンダラを研究する男」
戦乱を解消させるキーとなったのは、古代文明のメモリープレートに刻まれていたある歌である。
 
 
☆同じくMCの近くにある金星は
蟹座21度「ヨットを待つ女」
その手前の20度は「有名歌手がオペラを歌う」
説明不要、まさにリン・ミンメイのこと。
 
 
 
☆天王星は「古代の神殿の左側の部分で、ランプが、人間の体を型どった容器の中で燃える」
まさに戦艦マクロスのことのよう
 
 
 
それぞれのシンボルの意味を深堀りするまでもなく、非常に即物的かつ直接的なイメージの結び付きが見られることに驚愕してしまう。
 
 
 
もちろん、映画の中のキャラクターや設定を占星術的言語にどう置き換えるのか、というディスカッションも行った。
巨人族は冥王星だね、マクロスは天王星、古代の歌は海王星だね、とか
あの押しの強さと積極性、リン・ミンメイは牡羊・天秤ライン、または獅子・蠍あたり強調されてそうだね、とか、
任務任務とか言ってる割に家庭的なものに飢えてる早瀬未沙のライツ(太陽と月)は山羊・蟹だろう、とか。
優柔不断な一条輝のライツは双子・魚だろう、とか笑
 
人物たちをギリシャ神話や古事記の神々たちになぞらえて類型分類して語ることで、日本的な物語とは、というところまでも議論は及んだ。
 
 
 
 
自分としては、もともとは心から望んだ達成イメージだった歌手としての仕事(太陽)に疲れて気ままな恋(金星)を謳歌したいリン・ミンメイ、
逆に恋や家庭(金星や月)を喪失して任務(土星または太陽)に生きようとする早瀬未沙、
という対比が面白いと思った。
これまさに、対称的な形で、内なる男女、内なる陰と陽のバランスがうまくいっていない、ということで、
ゼントラーディ対メルトランディの対立が一人の人間の中の葛藤としてもトレースされているようではないか、と思ってしまった。
 
最後、ゼントラーディもメルトランディも和解するし、
ミンメイは改めて自分の歌う使命に目覚め、
未沙は輝の恋人となることによって内なる女性を取り戻す。
内なる葛藤も、外側の争いも、融合と統合へと向かった。
 
ここへ導いた触媒となったのが、古代文明のメモリープレートに刻まれていたある歌。
まさに凝り固まった形式を融解させる海王星的な忘我の陶酔感、これがすべてを結びつけた。
(ところで、海王星とはこの映画自体のことでもあるだろう。 )
 
 
人を動かしている、認識上の様々なレベルでの二元的な価値観を、占星術の天体であらわすことができる。
たとえば
 
 
太陽と月。
これは以下のように言い換えられる
意志と感情
目標と原点
光を放つもの反射するもの
 
 
または金星と火星。
女と男
受容と主張
享楽と怒り
 
  
木星と土星なら
促進と抑制
拡散と収縮
楽観と悲観
寛大さと厳格さ
 
 
しかし土星外の3天体は2元的な価値のにはとらわれないところがあり、もっと大きなエネルギーソースから信号を送ってくるものであり、これらとの交流によって、凝り固まってしまった配置図の偏りは何度も修正をせまられる。
 
そんなことを思った