アンドレア・デル・サルトの最後の晩餐 | フィレンツェ暮らしアレコレ

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フィレンツェの中心街から郊外に移り住んでマッタリのんびり?
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こんにちは

 フィレンツェには最後の晩餐のフレスコ画があちこちの教会付属の元コンベントの食堂に有り、見学可能です。ルネサンスの街というだけあって、ルネサンス時期に活躍した芸術家によるものが多いのも特徴です。

 その中で無料の国立美術館として運営されているのがサンサルヴィのアンドレア・デル・サルトのチェナーコロ美術館です。

 ホームドクターの所に行ったついでに久しぶりに見学しました。

 久しぶりに見学をしようと思い立ったのは、この美術館に展示されていた作品がピッティ宮殿などに移されているので、状況が気になった事と、メディチ家のコジモ一世の子供たちの集合肖像画をもう一度確認して写真を撮りたいというのが一番目的でした。


外観


入り口を入ると長い回廊があり、トスカーナ州の宗教施設にあった16世紀後半を中心にした宗教画がずらりと並んでいます。


食堂(修道院の規模がおしはかれる広さ)

その奥の壁に1526-27年にアンドレア・デル・サルトが描いた最後の晩餐があります。

記録によると、アーチ部分は注文を受けた1511年に描かれ、その後修道院内部の勢力争いが元で仕事がストップしていたそうです。


レオナルド・ダ・ヴィンチの最後の晩餐の影響が感じられる作品と紹介される作品ですが、上層に使用人の何気ない日常の様子を切り取ったような場面が描かれ砕けた雰囲気が漂います。


見事なデッサン力と華やかな色使い、ミケランジェロの影響から捻りのあるポーズですが自然な感じで役者が舞台の上で最後の晩餐を演じているような雰囲気です。

フレスコ画の近くの両サイドの壁際には、ウフィツィ美術館収蔵のアンドレア・デル・サルトのこのフレスコ画作品に関連づけられるデッサンが数点展示されていました。







 この3面の顔は当時トリニタ(三位一体)を表す図象でしたが、後の反宗教改革で禁止されたものです。


(ラヴァーボと呼ばれる食堂に入る前に手を清めるための広間です。)


(厨房です。奥行きのある大きな暖炉は加熱料理に使われていたもの)

厨房だった部屋には、ドメニコ会の修道女で画家として16世紀後半に活躍したプラウティッラ・ネッリの作品が複数展示されていました。

磔刑のキリストに太陽と月がシンボリックに描かれた彼女の作品です。

ネッリ家はフィレンツェの裕福な伝統のある一族です。彼女の母が亡くなり、父の再婚に伴い14歳で修道院に送られたそうです。


 私が見たかったコジモ一世の子供たちの集合肖像画は見当たらず、一体どこにあるのやら、グリーンパスのチェックをしたらさっさと奥の事務室に引っ込んでしまった職員の方に尋ねてみようと何度も声がけしたのですが返事は無く、ラジオの音が奥から聞こえてくるのみで、諦めて美術館を後にしました。

 この美術館にかつて展示されていた保存状態が良い重要性の高い板絵作品はほぼ消えていました。

 アンドレア・デル・サルトと同世代で協力者でもあったフランチャビージョのフレスコ画を見る事ができたのはよかったのですが、展示場所は1枚は巨大な厨房の暖炉の中でした。

(フランチャビージョの我に触れるな)


(フランチャビージョの羊飼いの礼拝)


 フィレンツェならではのマニアックな美術鑑賞は最後の晩餐巡りです。

フランチャビージョも1514年に最後の晩餐のフレスコ画を現在ホテル、イベント会場として利用されている元宗教施設に描いており、見学可能です。


Cenacolo di Andrea del Sarto a San Salvi 
Via di San Salvi, 16  50135 Firenze
Tel. +39 055 0649489
drm-tos.cenacolosansalvi@beniculturali.it

Direttore Angelo Tartuferi
Tel. +39 055 0882000
angelo.tartuferi@beniculturali.it

Super Green Pass obbligatorio per l'ingresso in tutti i luoghi della cultura: musei, monumenti, aree archeologiche, parchi e giardini


Giorni, orari di apertura e modalità di visita 

Dal martedì alla domenica, ore 8.15 – 13.50
Chiuso: Lunedì, 1 gennaio, 25 dicembre.