ペンギン「かーちゃん!かーちゃん!」ペンギン

「おや、パーシー。」

パーシーがふわふわのフリッパーをバタバタさせている。

ペンギン「今日はね、僕がかーちゃんの所にきて4年目だよ!」ペンギン

ペンギン「ペドロがきて3年目だよ!」ペンギン

 

おお、もうそんなになるのか。

「パーシーは嬉しいかい?」

ペンギン「うん、僕ね、かーちゃんの坊ちゃんで嬉しいよ、ペドロもね楽しいって」ペンギン

それはよかった。うんうん。

 

そうなのだ、ペンギンずが到着して丸四年になる。月日が経つのはなんと早いことか。去年の今日は日本の主治医のところで治療3年目開始で、それはそれで感慨深いものがあった。主治医に拾ってもらう前、治療開始後、で天と地ほどの違いがある。完治はしていないが、主治医はまだ状態を改善できると信念があり、今年も11月には帰国直後から集中治療再開をする手筈になっている。

 

元上司は退職後、多大なストレスから解放されだんだん顔色も回復し、人生を楽しみだしている。40年近く現場で歯を食いしばり踏ん張り続けてくれていたのだ。退職直前は急激に老け込んでしまい、影ながら胸を痛めていたのだが、今の様子を見ると安堵で胸がホッとする。彼の人生を考えると夫と同時期に退職し楽しく過ごすことに終始していることは正しいのだと、これで良いのだとつくづく思わされる。

 

確かに彼の退職が私の職場環境を激変させ、呪文のように「あの元上司が私ならできると信用したのだから」と不安や不満や焦りに駆られても、自暴自棄になってはならぬと自戒することに努めている。チームメンバーも同様だろう。

 

この20年以上、仕事に携わることに憂鬱な気持ちになったり、躊躇をしたり、嫌悪をすることが無かったのは、元上司がどれほどの防壁となり我々部下一同を守っていたのか身にしみる。安全壁がなくなった現在、波飛沫を浴び、暴風に翻弄されっぱなしだが、元上司の跡を引き継いだ同僚も精一杯のことをしている。彼女が40年のキャリアのあった元上司のようには出来ないのは当然だが、彼女も元上司の教えを踏襲し頑張っている。だからその彼女を支えるように、とのミッションを私も頑張らねばならぬ。

 

ペンギン「かーちゃん?ショコラ達もいるよ?」ペンギン

豚「ぷぴ」豚

色々と気の晴れぬことも多くなってしまったが、ペンギンずはふわふわのままで、ちょこんと座っている。彼らを送り込んだのは元上司とその夫だ。NHSには怒髪天をつくことばかりだが、幸いなことに素晴らしい主治医が日本で待っている。理学療法士の先生も待機されているし、クリニック全体で短期決戦型の私を全面支援をする用意をしてくれている。高齢ながら母も無事で私の帰国治療をを支えてくれる。

 

あれこれあっても私の人生も捨てたものではない。

だからきっと大丈夫。まだ大丈夫。

 

「かーちゃんは恵まれているね」

ペンギン「かーちゃん、僕達がいるよ!」ペンギン