長靴国北部は前世マグロ疑いの言によると、暑すぎず観光には良い日和とのこと。ただし、訪問者が私ということが問題だったようだ。。。。

 

英国では挨拶に天候の塩梅を挟むことがほぼ常識である。そのぐらい、天候が予測不能なのだ。とりあえず、最初の一言は天候!天候!それでつかみはOKという具合だ。私はもちろん日本人だが居住国が英国。英国の天候を連れてきてしまった。。。ちなみに、「天候を連れて」ということもよく会話に挟まれる。天候の良い土地に休暇に出かけていた同僚が帰国してきた時がたまたま英国も快晴だったりすると、「休暇楽しんだ?天候を連れてきたんだねー」という具合になる。

 

観光初日はしとしとぴっちゃんの五月雨。ドヨーンとした空、鬱陶しい雨が降ったり止んだり、まさに英国。そして霧がウワーッと発生。前世マグロ疑いは「☔️対策」として、初日は車で郊外に足を伸ばすコースを考えていてくれた。

 

「僕の街はねー、山に囲まれた盆地」と以前話していたように、小高い山の上にちょこちょこ景勝地やらなんやらがあるのだ。宿は平地に位置していたので、出発時には霧がかかっているとは知らなかった。雲が低いこともあり、高度が上がるとどんどん霧が深くなり、運転に注意をしなければならない。

 

景勝ポイントに到着!

素敵な元修道院のチャペルがあるのだが。。。建物がはっきりと見えない。

「。。。。これはまさにホラー映画のオープニングだね。。。」

「。。。そうだね。。。」

 

気を取り直して、有名な景勝ポイントに移動する。

「ここに、記念像があって。。。」

「うん、柵はなんとなくわかるけど、像は見えないね。」

「ここがロンドンのセントポール寺院にインスピレーションをシェアしている礼拝堂で。。。」

「うん、なんとなく入り口に繋がる階段があるんだよね。」

「ここ、ここが街のヴューポイントで。。。。」

 

なんともまあ、盆地の街がすっぽり霧?雲の下に隠れてしまい、もこもこの白い物に覆われているではないか。前世マグロ疑い曰く、未だかつて観光案内をしてこんな風景に遭遇したことがないとのこと。

「ごめんね、英国から天気持ってきちゃったよ」

「うん、そうだね。」

 

さすがに建物の中にまでは霧?雲は侵入してはいなかったが、兎にも角にも霧でナーンにもはっきりとは見えないのだ。気を取り直して、一度山をおり、他の山にある夏の離宮エリアに移動することには、少しづつ霧がはれてきた。離宮見学時には晴れ間も出て、やれやれと思っていたら、フランス風の庭をぐるっと散策している時にバラバラと雨が降ってくる。

 

「うむむ、まさしく英国天気だねえ、ペンギンが背負ってきちゃったよ」

「ペンギンの背中って、そんなに大きかったっけ?」