足の短い(?)ペンギンが長靴形国に行ってきた。長靴の履けない短足ペンギンが上陸したからか長靴に小突かれたりもしたが、ちとそれは私の想定が甘かったというところもある。

とはいえ、百聞は一見にしかずという得難い経験をした。
それは。。。。

かなり久々に英語圏ではない所にそれも私用で出かけ、どれだけ自分が「異国」である英国に馴染んでいるのかを自覚した。

前世マグロ疑いが「僕が観光案内するからね!」と張り切っているので、そうか、任せておけばいいのか、とそれほどしっかりとした事前調査もせず、世界遺産のあれ、これ、とか、ふむペンギンアイスか、なんとなくな情報でフライトに望んだ。

フライト中に突然、言葉がわからなくなった。彼の国では英語が必須になったのは割合最近で、英語の通じない現地人の割合が欧州の国々の中でも高い方なのだと後で教えられた。何を乗客のみなさんが楽しげにおしゃべりしているのか、トントわからなくなったのだ。

長靴国にランディングした途端、空港内のポスターだの標識だのが読めない。ボーダーコントロールのおっちゃんたちが何を言っているのかわからない。「言葉わかんないよお」と英語で答えたら、「日本人か、こっちへ行け」と英語に切り替えてくれたので、やっとなんのことやらわかった体たらくだ。

宿のスタッフは親切で英語を話すし、美術館などの観光要所のスタッフも英語を話してくれた。スーパーのレジのお兄さんもだ。なので、これといった特別な大問題は発生しなかったが、外国人の私相手に英語に切り替えるという、親切さがなければ途方にくれるところだった。当たり前だが、英語が公用語ではないのだ。

色々あり、英国に戻った。飛行場に到着した途端、標識もポスターも全てわかるし、無駄な喋り声も何を言っているかわかる。ここは母国ではないが、私にとっては確かに居住国であり、馴染みのある国なのだ。これからもここで、仕事をして生きて行く国なのだ、と身に染みた。そういう意味で、私にとっての「異国」と「英国」は異なる定義があるのだと自覚を新たにさせられた機会だった。