<3rd Jul Wed>

我が家に4泊なさったレイネさんが今日オランダにお帰りになり、あれこれご一緒したネタが沢山溜まったので追々アップしていきますが、しばらく続いた夏日も去って涼し過ぎるロンドンです。

----------------------------

今回レイネさんがロンドンにいらしたきっかけは推しのカウンターテナーテナー、イエスティン君が出る6月30日のバービカンのコンサート・オペラで、なぜか彼には偶然にあちこちで出くわす私達、その日もコンサートの前に日向ぼっこしてる彼の後ろ姿をレイネさんが気付いて下さったのでした(→こちら)。

 

ヘンデルらしさはあるけどヒット曲はないし、歌手は5人だけでコーラスもなくオーケストラも小編成で上演回数は少ないこのオペラ、初演はロンドンだったのに、ROHでは2003年に初めて上演されて、それ以来やってない筈。2007年に私が観た時のブログによると(→こちら

Ariostoという人のポエムOrlando furioso(怒れるオーランド)を元にしているのですが、時代も場所も特定されていないだけでなく、現実離れの設定で、英雄騎士オーランドは、魔術師ゾロアストロに戦場での栄光を求めるべきだとお説教されているが関心は専ら中国の女王アンジェリカ。しかし、そのアンジェリカ、かつて助けてもらった感謝の気持ちからオーランドに結婚の約束をしたのだが、しばらく会わないうちに他の男に心移り。そのアフリカの王子メドロには、怪我の看病をした羊飼いの娘ドリンダも惚れているという四角関係。(四角関係は珍しくはないけど、顔ぶれがヨーロッパの騎士、中国の女王(だけど名前はアンジェリカ)、アフリカの王子、羊飼い、魔術師、という地理的人種的階級的空想的にものすごく広がりがあると言うかもう支離滅裂。)アンジェリカの心変わりに怒り狂う(本当に狂う)オーランドは、相思相愛のメドロとアンジェリカを追い掛けて探し出して殺害。だけどゾロアストロの魔術でオーランドは改心し、死んだカップルも生き返る・・・。

 

 

Academy of Ancient Music
Laurence Cummings director and harpsichord
Iestyn Davies Orlando
Rachel Redmond Dorinda
Anna Dennis Angelica
Matthew Brook Zoroastro
Sophie Rennert Medoro

 

他愛のないストーリーの割りに長いので歌手が下手だと退屈でしょうが、この日は皆さん、それらしい衣装着て演技もしてくれたし歌も上手で楽しめました拍手。近過ぎず字幕も見やすい席だったのもよかったし。知名度ではイエスティン君がぶっちぎりですが、タイトルロールの割には歌う場面が少なくて、女性陣に押され気味だったかも。彼だけはほぼ譜面を見なかったのもさすがだったけど。女性3人の中では特にアンジェリカ役のアンナ・デニス(黒と金のドレス)がすごい美声で聞惚れドキドキ、秋に彼女が出るコンサートも買いました(10月9日のミルトン・コート)。

 

 

最近お洒落になったイエスティン君、凝ったデザインのジャケットで騎士の雰囲気を。