<11th Dec Mon>

昨日の雪で果たして今日は着物で出掛けられるかどうか心配だったけど、雪は解けたのでなんとかなりました。ムスメもベルリンから今日予定通り戻ってきました。昨日だったらきっとフライトがキャンセルになって面倒なことになるところだったので、ラッキー。 トーチャンは昨日、猫の面倒みるためにムスメの家に行ったのですが、あんな少しの雪で交通マヒになってしまうロンドン、大変だったようです。

今月すでに5回着物着てますが、ブログのいわばオマケである着物記事ばかりではなく、主テーマのオペラ観賞の記録も残しておかないとね。

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12月2日(土)はお馴染みの二本立てCav&Pag(カヴァレリア・ルスティカーナと道化師)の初日でした。

 

2年前にプレミエだったミキレットの演出は、全く関連のない二つのオペラを同じ村で続けて起こった出来事にして繋がりをもたせたところがポイントで、それによってお互いのストーリーに広がりを持たせたのは上手いなあと今回あらためて感心。例えば、「カヴァレリア」で息子が殺されるきっかけを作った恋人を憎んで終わった母親が「道化師」で登場して彼女を許し、更に今回は(先回はそうじゃなかったと思うけど?)彼女の妊娠を知って喜んで終わるので観客も「よかったね」と暖かい気持ちになって救われるし、「道化師」の奥さんの浮気相手はそのお母さんの所で働いてた若者という想定にして二人の出会いのシーンを目撃することによって状況が更に明らかになって納得できます。

プレミエ(→こちら)と同じ歌手も何人もいますが、重要な役に新しい人も何人か出たので、主に先回との比較にしてみます。 良いレビューがもらえたのは前回より歌手が良かったからですから。

Bachtrack ★★★★★
Telegraph ★★★★
Times (£) ★★★★
Arts Desk ★★★

 

 カヴァレリア・ルスティカーナのカーテンコール 

 

道化師のカーテンコール

最後は皆さん勢揃い

CavのガランチャとPagのキーンリーサイドが手に手を取ってお隣同士だったので、思わぬツーショットが撮れました。今回の注目はなんといってもこの二人ですから。

 

Cavalleria rusticana

 

Music Pietro Mascagni

Libretto Giovanni Targioni-Tozzetti and Guido Menasci

Director Damiano Michieletto 

Set designer Paolo Fantin

Costume designer Carla Teti 

Lighting designer Alessandro Carletti

 

Conductor Daniel Oren

Santuzza Elīna Garanča

Turiddu Bryan Hymel

Mamma Lucia Elena Zilio

Alfio Mark S. Doss

Lola Martina Belli

 

カメラ小さい写真はクリックで拡大。

     

サントゥッツァ役のエリーナ・ガランチャの美しさと上手さが際立って、良いレビューは彼女によるところが大きい筈。先回のウエストブルックよりうんと良かっただけでなく、地味でダサい衣装でも神々しいほど艶やかだし、ナチュラルな素晴らしい演技と歌唱で捨てられた女の哀しみが伝わってきました。 わざとらしかったカルメンよりずっと良いわクラッカーラブ

 

ガランチャを泣かせるトゥリッドゥ役はブライアン・ハイメル。ここには出過ぎの上(つい最近もシチリア島の夕べの祈りに出たばかりだし)、あのベチャーっとした声が好きではないけど、客観的にみれば声はよく出てるし芝居もちゃんとこなして、先回の大根役者アントネンコよりもずっと良かったです。見る度に太ってるのは二枚目役としては心構えがなってなくて落第だけどパンチ!。 折角大柄なガランチャと並んでサマになる背丈もあって顔も悪くないのに勿体ないったら。

     

お母さん役とローラ役は先回と同じなのは面白みないけど、二人とも上手なので不満はなし。ローラの旦那アルフィオは初めて聴く人だけど、なかなかダンディで、先回のずんぐりむっくりのプラタニアスより妻に嫉妬する役柄には向いてるルックス。ドラマとしての信憑性が大事ですからね、このオペラは。

 

   

 

Pagliacci

MusicRuggero Leoncavallo
Libretto Ruggero Leoncavallo
Director Damiano Michieletto
Set designer Paolo Fantin
Costume designer Carla Teti
Lighting designer Alessandro Carletti
 
Conductor Daniel Oren
Canio Bryan Hymel

Tonio Simon Keenlyside

Nedda Carmen Giannattasio
Silvio Andrzej Filończyk
Beppe Luis Gomes

 

    

道化師の奥さんに横恋慕するけど拒絶されるトニオ役のサイモン・キーンリーサイドは、前回のプラナニアスと全く違うキャラに見えました。 私にはどうあるべきかわからない役だし、もちろんサイモンの方が見映えはして歌唱も変化に富んでるけど、これがロールデビューのサイモン自身もどういう役作りにしていいのか迷っているのか、正体不明のトニオでした。 第一、私の目にはサイモンは知的過ぎて、人妻をものにしようととするしがない旅芸人にはみえないのです。 サイモンに向いてるとも思えないし、なんか照れてるように見えたし、ドラマとしてしっくり来ないトニオでしたえー?

 

妻に浮気されて見境がなくなる道化師役は、違うテノールの予定だったのに、間際になってからブライアン・ハイメルが代役になって、出過ぎにも程があるでしょうがガーン、と一気にテンション下がりました。二役歌えるスタミナは凄いと思うし、そつなくこなしたけど、カヴァレリアのトゥリッドゥ程役作りがしっかり出来てないようにみえました。 私がサイモンにばかり注目してハイメルを見てなかったせいかもしれないけど、ええ加減うんざりだから見たくないし聴きたくもないので、ガランチャはもう一度聴きたいけど、もう一度行く気が失せたのはハイメルのせいです。

道化師の妻とねんごろになるシルヴィオのおにいさんは、太めだけどなかなか素敵で、ネッダが惚れるのも理解できました恋の矢

 

   

ネッダが先回と同じカルメン・ジャンナタッシオだったのが一番つまらなかった。特に上手でもないし、他に誰かいないのか?むっ

   

写真はガランチャとサイモンを主に狙ってたくさん撮ったので、どっさり載せちゃいますね。

    

 

 

 

    

先回はパッパーノ大将だった指揮者はダニエル・オレン。 ま、特に・・。