<6th Oct Tue>

今月は外食の機会が多いのですが、今日はまず会社の近くに出来たヤウアッチャYauatchaに同僚たちとランチ。他のブランチ2軒に行ったことがありますが、シティ店の洒落た飲茶もすごく美味しかった!

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10月2日、バービカンでNatalie Dessay(カタカナは、かつてはデッセー、今はドゥセ)のリサイタルがあり、最前列で聴いてきました。


一番高くても35ポンドという、例えばチェチリア・バルトリと比べると半額以下なのに、切符がたくさん残ってたのは、ロンドンにはしばらく来てないので、忘れられたってことでしょうか? (因みに、この日はマグダレーナ・コジェナのリサイタルがウィグモア・ホールであり、伴奏が内田光子さんということもあってか、2回あるのに売り切れで、私がリターンしに行ったら、すぐに返金してくれました)。 





先回2008年のバービカンでのコンサート(→こちら) は、オペラのアリアばかりでしたが、オペラからは2年前に引退して今はリサイタル中心に活動してるナタリー、今回は渋い歌曲中心とガラッと様変わり。だからと言って、彼女には合わないシューベルトの「魔王」なんか歌わなくてもいいような気もしますが(それものっけから)、歌曲の王道に則っておきたいということでしょうか?


2012年3月のWigmore Hallでのリサイタル(→こちら )は歌曲ばかりであっても全てフランス語だったので、ドイツ語で新境地開拓ってことでしょうか? 特に彼女の良さが出るとも思えないシューベルトとメンデルスゾーンのドイツ語歌曲でしたが、彼女がフランス語訛りで歌うと、それはそれで不思議な魅力と言えなくもなかったです。


でも、やっぱりナタリーの真髄はフランス語で、後半は彼女の良さが充分発揮された素晴らしいパフォーマンスとなりました。時折咳してたので万全ではなかったのか、低音が始終かすれ気味でしたが、でも彼女はオペラでもいつもそうだったし、なんと言っても彼女の特徴である細い高音がきれいに突き抜けて、うっとりラブラブ オペラ界きっての女優であったナタリー、豊かな表情でも歌を表現してくれました。


最初舞台袖から肩を丸めて歩きにくそうによろよろ登場した時は、「ぎょっ!、誰、このお婆さん・・・」叫び、とあまりの変わり様に愕然でしたが(まだ50歳なのに・・)、最初は明るいライトの下で目の前に立つナタリーの顔や腕の皺が気になったものの、聴いているうちに視覚的に慣れたせいもあるでしょうが、キラキラ光る大きな瞳と豊かな表情がとても魅力的で、連隊の娘のお転婆マリーは卒業してすっかり成長したしっとりとしたマダムの美しさに見惚れました。私の目から彼女の皺がどんどん消えていきましたもんね。途中で2回歌詞を間違えたり忘れたて中断した時のキュートな仕草も可愛い連隊娘マリーを彷彿とさせてそれも又チャーミングおとめ座



Schubert
'Erlkönig'
'Am Bach im Frühling'
'Suleika 1'
'Nacht und Traüme'
'Geheimes'
'Rastlose Liebe'
'Nachtviolen'
'Gretchen am Spinnrade'
Mendelssohn
'Suleika'
'Die Liebender schreibt'
'Nachtgesang'
'Hexenlied'
Duparc
'Extase'
'Elégie'
'Invitation au voyage'
'Au pays où se fait la guerre'
Liszt Sonnet 104 de Pétrarque Five Songs on poems by Victor Hugo:(ピアノ独奏)
Liszt 'Ô quand je dors'
Fauré
'Dans les ruines d’une abbaye'
Fauré 'L'Absent'
Bizet
'Adieux de l'hôtesse arabe'
Liszt 'Comment, disaient-ils'

Natalie Dessay soprano
Philippe Cassard piano


スタンディング・オベーションの中、アンコールは2曲で、Delibesのシャンソン・エスパニュールで華やかに盛り上げて、最後はラフマニノフでしっとり。 テレグラフ紙の評は4ツ星(→こちら )。


尚、2011年にバービカンでキーリンサイドとご主人のナウリと共演したペレアスとメリザンドのコンサートオペラの様子は→こちら


シルバーが好きなんでしょうか、Wigmore Hallのリサイタルもシルバーでしたが、今日のドレスもシックでありながら華やかで、体型の欠点も隠す優れたデザイン。





さて、


ついでと言っては失礼ですが、10月5日、ナタリーと同世代のもう一人のフランス人ソプラノのランチタイム・リサイタルに行き、つい比較してしまいました。


サンドリーヌ・ピオーSandrine Piauはバービカンのバロックオペラコンサートでよくキャンセルされ、やっと生で聴けたわけですが、コントロールが利いて引き締まったシャープな声が上から下までまんべんなく出て、表現力も豊か。舌を巻いたその上手さは、技術的にはナタリーよりも絶対上アップ 


だけど、魅力というかスター性は、不安定であってもやっぱりナタリーには敵いませんダウン


でも、サンドリーヌ嬢、見かけは小柄で地味なおばさんですが、これも歌の力でしょう、段々綺麗に見えるようになりました。


メンデルスゾーン、Bouchot, Rシュトラウス、ドビュッシー、Bブリテンで、フランス語、ドイツ語、英語で歌ってくれましたが、BBCラジオで1ケ月間聴けます(→こちら )。

     



Sandrine Piau soprano


Susan Manoff piano

Felix Mendelssohn (1809-1847)

Neue Liebe Op. 19a No. 4

Nachtlied Op. 71 No. 6

Hexenlied Op. 8 No. 8

Vincent Bouchot (b.1966)

Galgenlieder

Richard Strauss (1864-1949)

Acht Gedichte aus 'Letzte Blätter' Op. 10


No. 3 Die Nacht

Morgen Op. 27 No. 4

Ständchen Op. 17 No. 2

Claude Debussy (1862-1918)

Chansons de Bilitis

Benjamin Britten (1913-1976)

The Salley Gardens

There's none to soothe

I wonder as I wander


最前列なのにろくなカーテンコール写真が撮れなかったので終了後にグリーンルームに突進。


いつものように一番乗り、と思いきや、ダッシュしたDASH!ハゲの男性に先を越されてしまいました。 そしたら、なんとバリトンのステファン・デュゴーで、同じフランス人で親しいらしい二人は、私の目の前で、舞台からグリーンルームに向かう途中の狭い所で長く話仕込んでしまったので、写真はギブアップ。

ドゥゴーは今ROHのフィガロの結婚の伯爵役で奮闘中で、昨夜も含めすでに2回観てるんですが、今週もう一回行くので、レポートはその後で。



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