<3rd Aug Sat>

バルセロナの世界水泳選手権大会、日本勢は健闘してますね。イギリスチームはメダルを逃してばっかりで暗いムードむっ

今日は家から一歩も出ず、旅行の準備したりアポの詰めをしたり、テレビを観たり。旅行前に片付けなくっちゃシリーズとして、今日はプッチーニのつばめを手短に。

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London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)
7月11日と21日の2回、プッチーニのつばめLa Rondineを観に行きました。


ヴィットリオ・グリゴーロが出るというので凄く楽しみにしてたのに、かなり前にキャンセルとなり、一気にテンション下がったので、2回だけで充分だわ。ゲオルギュー主演でもう何度も観てるしね。


2002年にROHで初登場したこのプロダクション、NYメトでも使われてて、2009年1月にメトのライブを映画館で観たときにストーリー等説明してますが(→こちら )、要するにヴェルディの椿姫をうんと薄めたたようなお話で、えらく単純。


クリップ中年銀行家のお妾さんをしているマグダは、田舎のお坊ちゃまと出会って恋に落ち、パリを離れて一緒に暮らし始め、彼の親から結婚の承諾もしてもらうが、妾だったことを秘密にしている罪悪感に耐え切れず、汚れた過去を告白して身を引き、元の囲われ者生活に戻るクリップ


オペラにしては誰も死なず、死なないどころか何も起こらない軽~いオペラ(元々プッチーニはオペレッタを作ろうとしたので)、同じプッチーにでも、同時にやってた主役3人がコロコロ死ぬトスカと比べると、なーんにも起こらなくてスリル無しですが、だからこそテーマが時代錯誤であるにも拘わらず、共感を覚えることができるわけです。


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)   London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


1920年代に読み替えてあり、ちょうど映画になった華麗なるギャツビーと同じなのでトレンディだし、美しいセットは幕が開いたら拍手が起こったくらい。衣装も素敵。



London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン) La Rondine 

Director Nicolas Joël

Set designs Ezio Frigerio
Costume designs Franca Squarciapino
Lighting design Vinicio Cheli
Conductor Marco Armiliato
Magda de Civry Angela Gheorghiu
Lisette Sabina Puértolas
Ruggero Lastouc Charles Castronovo
Prunier Edgaras Montvidas
Rambaldo Fernandez Pietro Spagnoli
Périchaud John Cunningham
Gobin Pablo Bemsch
Crébillon Ashley Riches
Yvette/Soprano Solo Dušica Bijelic
Bianca Hanna Hipp
Suzy Justina Gringyte


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)     London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)
11日は、トラファルガー広場等で生中継されたので、ROHヤングアーチストのお嬢さん方3人がインタビューされてました。


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)    


マグダ役はアンジェラ・ゲオルギューとエルモネラ・ヤホのダブルキャストで、すでにアンジェラで何度も観てるとは言え、容姿も声も地味でこの役には向いてるとは思えないヤホで観る気はしなかったので、観たのはアンジェラのみ。


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)     London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


いつものようにどうせ何度かキャンセルするだろうと思って、生中継される日を選んだけど(そういう時はアンジェラは決して休まないから)、珍しいことに、結局一度もキャンセルしなくて5回皆勤賞だったのは、歌唱的に大した負担がないだけでなく、きっとこの作品が好きなんでしょうね。元々、元亭主のアラーニャといわば発掘した作品だし、とても生き生きして、丁寧にお芝居もしてくれて、そしてなんと言っても、初演から10年以上経ってるのに体型も変わらず、とっても綺麗キラキラ


声量は乏しいアンジェラのこと、遠くの席の人にちゃんと聞えたかどうかあやしいけど、私は舞台横の近い席なのでしっかり聴くことができ、さすがの貫禄と余裕で立派なヒロインぶりクラッカー


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)      London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)      London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


アンジェラのおかげで、充分観る価値はあったわけだけど、


楽しみにしてたグリゴーロがキャンセルしただけでもがっかりなのに、代役がチャールズ・カステルノーヴォってのもあまりにもロンドンの客を馬鹿にした仕打ちで、バリトンのような太い声は全く響かず魅力ゼロダウン ROHにはよく出るのよね、こいつ。つい最近も魔笛で出たばっかりよしょぼん  大して難しい役じゃないんだから、誰か他にいるでしょうがパンチ! 


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)      London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)       London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


準主役にもう一組、詩人と女中というこれまた不釣合いなカップルが出てくるのですが、女中役のSabina Puértolas は、痛ましいくらいの熱演なんだけど、なんだか全て空回りしてお気の毒。声の質がこの役に向いてなくて、軽やかな鈴のような声が望ましいのに、サビーナ嬢はねっとり重過ぎ。それなら、彼女の声に合ってる役でなら聴きたいかというと、別に・・むっ


詩人役は元ROHヤングアーチストのEdgaras Montvidasで、ROHで椿姫のアルフレードも歌ったこともあり(たしか代役でだったけど)、他でも何度か聴いたけど、ちゃんと上手だし、結構好きです。個性はないけど素直な声で、ルックスも長身の好青年だし、特に今回のこの洒脱な伊達男役はぴったり。一緒に観た仲間たちとも「彼の方がカルテルノーヴォよりもずっと良いテノールじゃんドキドキ」、と言い合ったことでした。


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)     London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


マグダの金持ちパトロンはほんのちょい役なのに、なんとピエトロ・スパニョーリって凄い配役だ。ROHでは 4年前のセヴィリアの理髪師(ディドナートが車椅子で歌ったときね)の爆笑フィガロがすごく上手だった彼(→こちら )、ちょっとだけでも出てくるのは嬉しいけど、歌う場面もほとんどなくて、誰がやっても印象に残らないこんな役では勿体なさすぎ。わざわざいらして頂いて申し訳ないわ。


指揮者はマルコ・アルミリアート。メトとかではお馴染みな彼、ROHは初めてじゃないかしら? 少なくとも、私は見た覚えがないよ。手堅い指揮振りで、甘美なプッチーニを楽しませて頂きました。




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