<4th February Sat>

ここ数日、温度は低いけど晴れてて気持ちが良いのですが、いよいよ寒波もクライマックスに達するらしく、雪ロンドンは今夕から大雪という予報。サウスバンクのコンサートに行くのですが、無事に帰ってこられるのかしらん? 素敵な雪景色の写真も撮れて、コンサートも予定通りの出演者が出れば、理想的なんですが。

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London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


2月3日、バービカンにアンドレアス・ショルを聴きに行きました。一年以上も前に気合を入れて買った最前列ど真ん中席よ。


今やカウンターテナーの大御所とも言えるショル兄、最近は中世の吟遊詩人を発掘したり(→こちら )、後輩CTのジャルスキーと共演したり(→こちら )、エンタメ志向も感じられましたが、今回は真っ向から王道のバッハのカンタータに挑戦。


J.S. Bach Sinfonia zu Kantate "Ich steh mit einem Fuss im Grab" BWV 156
J.S. Bach Kantate "Ich habe genug" BWV 82

  interval
J.S. Bach Cembalokonzert Nr.5 f-moll BWV 1056
J.S. Bach Kantate "Gott soll allein mein Herze haben" BWV 169

Andreas Scholl countertenor
Kammerorchester Basel


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)     London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


しょぼん残念ながら、前半のショル兄は、声に張りはないし、情けないくらいナヨナヨすかすかで、私はかぶりつきだからいいけど、後ろの方の人に一体こんなんで聴こえるのかしらと心配になり、友人がバルコニー席に座ってたので、申し訳ない気持ちで一杯。


ジャル君と共演した時は風邪気味だったから仕方ないけど、最近のショル兄はなんだか不調なときが多過ぎて、もしかしたらいつもこうなのかしら、10年間以上散々生で聴いたから、もうこれでおさらばした方がいいかな?ショル兄がゲテモノ扱いされてたカウンターテナーを陽の当たる所に誘導してくれたお陰でたくさんの若いCTが登場して上手な人もたくさんいることだしね。


本人も会心の出来ではなかったようで、あまり盛り上がらない声援に応えるショル兄も顔も冴えなかったし、やけに短くて、30分で休憩に入りました。


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)
後半はまずまずの長さになりましたが、それは最初に古楽オケの水増し演奏があったからで、特に上手とも思えない演奏を長々と聴かされて、なんだかぱっとしないコンサートやなあと不満だったところ、


ショル兄が登場して歌い出すと、なんと、さっきとは打って変わって、しゃきっと声はよく出たし、細かい所のコントロールも立派で、変化に富んだ素晴らしい歌唱だったんですよ、これがアップニコニコ


休憩時間に一体何したんだろう?!?


私がメロメロになったヴィヴァルディのコンサートの時(→こちら )ほどの甘さは無かったけど、それもストイックなバッハには合ってて、適度なパンチもあり、ショル兄、まだ充分いけるじゃないのラブラブ バッハをこれだけ大人っぽく歌えるCTはそんなにいないだろうし。


おまけに、中年になって段々出っ腹になってたのに、明らかに体重が減ってお腹もへっこんでスマートになり、オツムのてっぺんが薄くなってはいるけど、精悍な体型と色白で優しい眼差しのミスマッチもセクシー。歌の出来が良いと俄然魅力が増して、また惚れ直した私ラブラブ! そうよ、デリケートなショル兄は、NYメトみたいなでかい劇場でのオペラで無理に声張り上げて痛ましい姿をみせるより、こういうこじんまりとした古楽オケとしんみりきっちり歌うほうが絶対良い。


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)
着るものには拘らない人のようで、いつものつまんない黒一色でしたが、一応スーツなんだから、いくらなんでもゴム底の運動靴というのはあんまりではないでしょうか?野放図に生えた無精ひげもむさくるしくて、折角のクラーク・ケント的美貌を下げてる。


などとコキおろすのは、何度も観てる上に、2メートルくらいの至近距離から細かい所まで見えてしまう私くらいでしょうが、


出だしはひどかったけど、奇跡の回復を遂げて、結局はハッピーな結果となり、ショル兄もご満悦。アンコールは一曲だけでしたが(バッハに違いない)、譜面が用意されてなくて、ちょっとうろたえた素顔のショル兄も素敵。バロック音楽って実は乗りが良くて斬新な上、後半のバッハはスケールが大きくて高度なテクニックも必要な素晴らしい曲でした。


ところで、ショル兄はなんと、オランダ語が流暢に喋れるんですって。若い時にオランダ女性と付き合ったのがきっかけだったそうですが、オランダ在住のオペラ仲間のレイネさんのブログで紹介されてます(→こちら ) 。ハンサムで歌が上手なだけじゃなくて、語学の才能もあるショル兄(英語も勿論ペラペラ)、もうしばらくCTのトップの一人としての地位を死守して下さいね。


尚、彼のコンサートには着物で行っているので、今回もそうしたかったんですが、いつ雪になってもおかしくない異常な寒さのために断念。「あ、いつもの着物着た妙なファンが僕をじーっとかぶりついてるガーン」、と不気味がってもらえたかもしれないのに、残念。


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