むかっ<7月3日(日)>

一日中家でごろごろ。おかげで色々片付いたし、ブログも少し書けました。

なので、え、今更!?という、ナポリで観たオペラをやっとアップできるのだ。

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5月17日に行ったナポリのサンカルロ歌劇場は(→こちら )、亡くなったオジイチャンに縁のあるオペラハウスなわけで、おそらくもう二度と行くことはないでしょうし(ろくな歌手出ないので)、二人分の切符代も224.7ユーロも払ったので、いくら遅れても、記録として残しておきますともDASH!


ヴェルディの1855年の作品Les Vepres Siciliennesはタイミング的にも昨日のROHの同じヴェルディのマクベス(→こちら )の次にアップするのは丁度いいかも。だって、どうしても比べてしまうわけで、両方とも観たトーチャンとも、「オペラって作品の良し悪しだけじゃなくて、プロダクションの優劣、パフォーマンスの出来不出来で印象がすごく違ってくるよね」、と言い合いましたから。


結論を先に言うと、作品としては(私の好みとしては)シチリアの勝ち、プロダクションとパフォーマンスは誰が判断してもマクベスの勝ち、です。


オペラ三昧イン・ロンドン


オペラ三昧イン・ロンドン

13世紀、フランス統治下にあるシチリア島の首都パレルモで実際に起こった住民の暴動とフランス軍虐殺事件(→こちら )を背景に、敵側の大将が父とわかってジレンマに苦しむ若者の恋をでっちあげた作品で(詳しいストーリーは→こちら )、グランド・オペラの要素を全て備えたヴェルディらしいオペラで、テノールとソプラノに夫々盛り上がる有名アリアがあるのに、上演機会が少ないのはなぜでしょう?


イタリア語版もあるのですが、この日はオリジナルのフランス語版。折角イタリアでやるのに勿体ない気もしますが、おそらく省略されることも多いバレエもちゃんと入って、正しい姿での上演にこだわったんでしょう。


オペラ三昧イン・ロンドン



 キャストはこちらを拡大してご覧下さいなのですが、運悪く私たちが行った17日だけBキャストだったようで、切符を買う時にもそういう話だったかしら?と不思議なんですが、まあ、例えその時からそうであっても他の日を選ぶことはできなかったし、Aキャストだって聞いたことにない名前ばかりなのでそう残念には思わなかったでしょう。ここでオペラを観るという体験が大切なのであり、パフォーマンスの期待は低かったので、まあなんでも良いわけよ。


オペラ三昧イン・ロンドン
とは云うものの、Rachele Stanisciという ソプラノはあまりにもひどかった。一回だけの出演と云っても、こんな立派なオペラハウスで主役なんかさせてはいけません。有名なアリアも台無し。



   オペラ三昧イン・ロンドン



救いはPietro Prettiという若いテノール君が、ルックスは貧相でぱっとしないけど(たいていのテノールはそうだから、それはあまりハンデにはならない)、声はなかなか良くて、彼が歌っている時だけは身を乗り出して熱心に聴きました。

他の人たちもまあまあで、下手くそ、引っ込め~、と石投げたくなったのは彼女だけだったので、まあ良いことにしましょう。彼女もビジュアル的には綺麗なんだし。


しかし、例え歌手が皆さん上手であっても、このおそろしく古めかしいプロダクションは頂けません。なかなか豪華なセットではあるけれど面白みがなくて衣装もまとも過ぎ。


そして最悪なのは演出で、皆で突っ立って正面向いて歌うだけという一昔前の退屈なスタイル。


というわけでレベルのがやや低かったですが、題名だけしか聴いたことがなかったヴェルディを由緒あるオペラハウスで聴くことができて、フランス語で聴きながらイタリア語の字幕を見るというハンディキャップで細かいところは理解できずともなかなか良い作品だとわかったの嬉しくて、修復したばかりでピカピカに美しいサンカルロ歌劇場の思い出と共に良い記念になりましたキラキラ

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