<10月23日(金)>
2、3日前の寒さもいつのまにか収まり、快適な秋の日が戻りました![]()
パリのことを早く書かなきゃと思いつつ相変わらずバタバタしているうちに、一週間があっという間に過ぎてしまいましたが、まずシャンゼリゼ劇場のコンサートから片付けましょう。
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10月17日、パリのシャンゼリゼ劇場Théâtre des Champs-ÉlyséesでヘンデルのオペラFaramondoをコンサート形式で聴きました。
この可愛い子は誰?
今回のパリ旅行は、この週末なら知り合いのフラットを使わせて頂けるということでまずユーロスターの切符を6月に手配して(早く買わないと往復59ポンドの席は売り切れちゃうから)、それから何かオペラかコンサートあるかな?と探したのですが、残念乍らオペラ座(ガルニエ)は何もやってなかったし、オペラ・バスチーユは春にROHでやってたのと同じプロダクションの愛の妙薬。ネトレプコなんだけど、彼女が出てたら切符なんか買えっこないし、でもこの週末はネト子ちゃんじゃなくてタチアナ・リスニック。Jカレヤの奥さんで、来年4月に東京の新国でこのオペラで夫婦共演するんですってよ。
リスニックに興味はあるけど、同じものをパリで又というのもナンなのでパスして他を探していたところ、一緒に行く人から「シャンゼリゼ劇場のスケジュールに可愛い男の子の写真が出てるけど、この人知ってる?」と言われたので「どれどれ誰かいな?」と思ったら、おお、なんと急上昇カウンターテナーのフィリップ・ジャルスキー君ではないですか!(以下ジャル君)
フランスでは凄い人気と言われるジャル君ですが、幸い切符も買えたので(23ユーロのバルコニー)、初めてのシャンゼリゼ劇場と共にパリ旅行の楽しみとなりました。
シャンゼリゼ劇場は渋い雰囲気のアール・ヌーヴォで、ストラヴィンスキーの春の祭典が初演されて大騒ぎになったそうですが、大き過ぎず小さ過ぎずのちょうど良いサイズが気に入りました。
どんな内容なの?
聞いたこともなかったヘンデルのファラモンド、どんな話か調べてみたら、フランク王国のファラモンド国王が敵対している他国の国王二人と王子や王女の息子殺しの恨みとか恋のさやあてとかゴチャゴチャあってわかりにくそうだし、複雑だけどアホらしい内容みたい。
その上コンサート形式でイタリア語で歌ってフランス語の字幕だから、たとえストーリーを事前にきっちり把握していても、今一体どの部分をやっているのかすらわからないにちがいない。だから内容は気にしないで、ヘンデルだからまあ想像はつくし悪い筈はないので、ひたすら音楽と歌唱を楽しむことに徹することにしました。
(Max Emanuel Cencicの代役), Faramondo
Philippe Jaroussky, Adolfo
Netta Or, Clotilde
Marina De Liso, Rosimonda
In-sung Sim, Gustavo
Xavier Sabata, Gernando
Marco di Sapia, Teobaldo
I Barocchisti
CDとほぼ同じ出演者の予定でしたが、残念乍らタイトルロールのチェンチッチが欠場し、3人のカウンターテノーの競演というのがミソだったのにがっかりでしたが、お目当てのジャル君は出てくれて、横から見る席からでもよく見える位置に立っててくれたので、歌ってない時でもジャル君の姿をしっかり見ることができました。
3月のパーセルルーム(→こちら )の時よりちょっと痩せて洗練されたジャル君は華のある長身でチャーミングな容姿と立ち居振る舞いで、皆にキャーキャー言われるのもうなづけます。
それを自覚してか、始終控え目な態度で、出番が終わって拍手を受けるときも他の人に気を使って彼だけ早々と後ろに引っ込んでしまう謙虚なところにも好感がもてました。遠慮不要のリサイタルではサービス精神丸出しのお茶目さんでしたが、ちゃんと区別がつけられる人なんですね。
私はジャル君はこれがまだ2度目なのですが、パーセルルームのリサイタルの時よりも好調だと思いました。声にもピュアな張りがあり、私だけでなく彼の出番を皆が待ちわびてましたが、正味3時間の長さでも彼は主役ではないので歌う時間が短いのががっかりでした。
でも、いいんです、私はもうすぐバービカンの彼のリサイタル(→こちら
)に行くので、その時はかぶりつき席でジャル君だけに浸ります。12月2日でヘンデルとバッハ。
聞き逃したチェンチッチもこの週末(25日)にバービカンのスザンナ(ヘンデル)で聴けるので楽しみ。今度は休むんじゃないぞ!
ジャル君だけ抜きん出ていたわけではなく、他の人たちも概ね上手で、レベルの高いコンサートでした。
長い上につまんない内容のオペラなのに途中でだれることなく、それどころか、最初は不安定だった人も段々波に乗ってきたのがよくわかり楽しめましたが、でもやっぱり字幕が理解できない身にとってはこの長さはちょっと辛くて、半分でもよかったよね、と仲間うちで言い合いました。
左から、
・たこ入道のような風貌からは想像のできない優しい声のカウンターテナーのSabata、最初は声がふらふらしてたけど、途中からしっとりして、こういうキンキン声ではないCT声は好きです。
・赤いドレスのNetta Orも最初の不快な声から徐々に脱して上がり調子でした。
・タイトルロールの代役Nesiは、正確ですっきりとした歌声と小回りも効くテクニックで拍手喝采。
・ジャル君の隣の金髪女性De Lisoは娘役ソプラノでで、鈴のような高音がよく通ってチャーミングでした。
パリ週末旅行、あと観光編が残ってますが、この週末にアップしますね。



