
6月12日、バービカンでのLSOとソプラノのデボラ・ヴォイトのコンサートに行きました。
Wagner 'Dich, teure Halle' from Tannhauser
Wagner 'Du bist der Lenz' from Die Walkure
Strauss 'Zweite Braut Nacht' from Die Aegyptische Helena
Strauss 'Ich kann Nicht Sitzen ' from Elektra
Beethoven 'Abscheulicher' from Fidelio
Strauss Final scene from Salome
London Symphony Orchestra
Asher Fisch conductor
Deborah Voigt soprano
デボラは、最初ちょっと声に張りが欠けてて、絶好調ではなかったけれど、彼女から2メートルの位置に座った私には声量は充分過ぎ。
ご覧の通り、タンホイザー、ワルキューレ、エレクトラ、サロメ、フィデリオ等、全部ドイツ語で、大オケに対抗して目一杯声を張り上げる重い曲ばかり。
それを最前列ど真ん中で全身に浴びるように聴いたひにゃ、耳がどうかなるかと心配しました![]()
音楽が鳴り止んでもドンドンワンワン、あ~、しんど。いつも不思議に思うけど、オペラ歌手って自分の声もさることながら相手役に目の前で歌われて、よく鼓膜が破れないものだわ。
デボラは、舞台でもあまり大袈裟な演技をする人ではなく、この日も割と淡々と悲劇を歌い上げたので、遠くの席の人にはちょっとビジュアル的に物足りなかったかもしれませんが、これだけのヘビーな曲を歌って首が汗でびしょびしょでしたよ。お疲れ様。
手術までして痩せたわけだから簡単に元通りのデブにはならないでしょうが、努力してるのでしょう、まだ細いとはもちろん言えないけど、それなりに引き締まって、首の肉もすっきりの金髪碧眼美女。
なかなかセンスの良い人なので、最初の銀緑のドレスはすごく素敵でした![]()
ベージュのレースのボレロとお揃いの刺繡がゴージャスで、落ち着いた色目で品が良く、それでいて花形歌手らしい華やかも充分。なによりも彼女の体型にはぴったりのデザインで、もっとすらりとスタイルの良い女性が着てもこれほど映えないのではないかしら。
休憩後も同じドレスだったので、今日はお着替えなしかな、と思ったら(今までしてくれたこともないし)、最後の一曲のために、あっと変化を見せてくれて、拍手喝采![]()
サロメがつれない男の生首をお盆に乗せて陶酔する壮絶な血まみれシーンですから、前半のクラシックなドレスはそぐわないと思ったのでしょう、したたり落ちる血の色のドレスが色鮮やかでビジュアル効果満点でした。
ペラペラ素材で品のない赤色なのでチープに見え、これ一着が今日のドレスだったら、「デボラさん、ちょっとそれは・・・。赤いドレスを着るんなら、年相応な深紅で上等な布地を奮発して欲しかったです」と言いたいところですが、この曲にはこの鮮やか過ぎる赤でショック効果もありました。
アメリカ人のデボラは、気さくで気風の良い姐御のような態度と喋り方が魅力なのですが、
今日も曲の合間にゼスチャーで「拍手はそれで充分よ~」とおどけてみたり、「拍手ありがとね。今のはめっちゃしんどい曲だったから嬉しいわ」、と言ってみたり、
最後のアンコールの前には「もうヘトヘトでさあ、声もエネルギーもこれだけしか残ってないから、軽い曲を歌いたいわ。軽いとは言えない夜だったでしょ?」、と茶目っ気たっぷり。
アンコールは2曲で最初はコンサートの続きのようなワーグナー(と思う)だったけど、最後の軽い曲というのは、ミュージカル「マイ・フェア・レディ」の「踊り明かそう」でした。オケ演奏のサロメの7枚のヴェールの踊りと踊りつながりってことで。
ドイツものばかりの重い演目のせいか、売れ行きの悪いコンサートだったようで、割引オファーまであったのですが、それが功を奏してか、結局はちゃんとお客で埋まっていて、よかったよかった。
実は私も他のコンサートの切符が買えたらこれを捨てるところでしたが、スターの貫禄充分のデボラの真髄に触れることのできた濃い内容だったし、普段は水増しと思うオケ演奏も本格的なワーグナーやシュラウスで迫力あって、熱気のある良いコンサートでした。
カーテンコールでたくさん撮った写真を貼っておきます。百貫デブの頃から美女ではありましたもんね。








