7月31日、バービカン夏の恒例シリーズ、Mostly Mazartコンサートに行きました。




           The Truth about Love
          A romantic journey through Mozart’s operas



Classical Opera Company
Ian Page
conductor

Rebecca Evans soprano
Klara Ek soprano
Katija Dragojevic mezzo-soprano
Andrew Kennedy tenor
Garry Magee baritone
       

Zoe Wanamaker reader
Simon Russell Beale reader


音譜アリア17曲 from

フィガロの結婚、魔笛、偽の女庭師、ティート皇帝の慈悲、イドメネオ、後宮からの脱出、ドン・ジョバンニ、コジ・ファン・トゥッテ、Il re pastore


メモ朗読14編 by

Shakespeare, W.H.Auden, Carol Ann Duffy, Wendy Cope, Robert Frost, Housman, Roger McGough, John Clare, W.B.Yeats, Dorothy Parker, Brian Patten, e.e.cummings, John Fuller


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毎年2週間、主にモーツァルトを演奏するこのシリーズ、私はあまり行かないのですが(この時期は仕事が忙しいのと、滅多に大した人が出ないので)、いくらモーツァルトが素晴らしいからと言っても飽きるわけで、色々趣向をこらさないとお客は呼べないのでしょう。


この日はテーマをLOVEラブラブに絞って、モーツァルトのオペラの中の色々なアリアを5人の歌手が歌うという形式だったのですが、さらに特徴を出すために朗読が入りました(私が知らないだけでこのシリーズではお馴染みなのかもしれませんが)。

朗読者は男女一人づつで、


ゾイ・ワナメーカーは、日本ではハリポタ映画の魔法の杖のフーチ先生と言えば「ああ、あの」と思い出す方もいらっしゃるかも程度にしか知られてないでしょうが、イギリスではMy Familyというテレビのコメディ・シリーズの主役として誰でも知ってる女優さんです。


(彼女の父親はアメリカ人俳優の故サム・ワナメーカーですが、テムズ河畔にシェイクスピア時代のスタイルで復元されたグローブ座は彼の尽力があってこそ実現したのです。)


そのコネで引っ張ってきたのかどうかは知りませんが、もう一人のサイモン・ラッセル・ビールは(お芝居に疎い私は聴いた事のない人ですが)、シェークスピアなどを演じる本格的な役者さんらしいです。

あんなに小柄ではできる役は限られてるでしょうが(オペラはデブでもチビでも二枚目役やりますが)。と思ったら、ハムレットなんかもやったって。   
   


この二人で交互に色んな人の詩やシェークスピアのソネットを朗読し、そのまますぐにアリアに入るというやり方でしたが、この手のコンサートだとオーケストラ演奏の序曲なんかでうんと水増しされて歌はほんのちょっということになりかねないのですが、今日は短い朗読だけだったので、盛りだくさんにアリアが聴けて、お得感がありました。朗読もとても上手だったし、ユーモラスな内容の作品が多かったので、クラシックコンサートには珍しい笑い声が多く聞かれました。


このコンサート、特に誰かを聴きたいとかいうこともなく、トビー君の「ティート皇帝の慈悲」を買うついでに、ROHも夏休みに入ってヒマだなことでもあり、たまにはMostly Mozartにも行ってみるべ~かという軽い気持ちで大した期待もせずに行ったのですが、


手垢のついたアリアばかりではなく、珍しいオペラも引っ張り出してくれたし、歌手のレベルも決して悪くなかったし、なにより私には珍しい朗読も聞けて、それなりに楽しめました。


歌手の印象を簡単に書いておくと、


レベッカ・エバンスがこの中では唯一知名度のある歌手で、イギリスでは活躍中ですが(ROHのパミーナ、ツェルリーナ、ENOのねじの回転の女家庭教師)、今日の調子はまあまあってとこでしょうか、高音がちと苦しかったものの、「私がスター歌手なんだから」という自負からくる艶然とした微笑と余裕のある態度はさすが場数を踏んだベテランの貫禄。前半と後半でドレスを変えたのも彼女だけ。


ストックホルムとロンドンで学んだ若いメゾ・ソプラノのカティア・ドラゴジェヴィッチは、アンジェリカ・キルヒシュラーガーと似た雰囲気で、今日はズゾン役ばかりなのですっきりと凛々しく、端正で清潔な歌声は好感が持てます。

  



こちらもストックホムルとロンドン組(たしかアン・ゾフィー・ヴォン・オッターもそうよね)び若いソプラノのクララ・イークは、エディタ・グルヴェローヴァのなりそこないというか、容貌も声も大御所の線を行ってて、グルヴェローヴァの若い時を映画化するのであればどんぴしゃ。

最初は緊張して高音が縮み上がっていたけれど、後半は調子を上げて、このまま育てば張りのある高音を売り物にしてそこそこいけそうです。ドレスのセンスはうへーっというほどひどかったけど。


なかなか良かった女性陣に比べると二人の男性は・・・


アンドリュー・ケネディは、トビー君のスペアという位置付けだと私が思う人で、ENOとかでは「おい、今度のプロダクション、トビーは空いてそうか?え、駄目?そうだろうなあ、最近結構売れてるもんな。んじゃ仕方ない、ケネディ君で手を打つか」ってところでしょうか。

でも、甘さも伸びもまあまあの悪くない声だけど、いまいちぐっとくるものがなくて、おまけに若ハゲなので頭髪は決定的に不足。それはカツラを被れば片付くけど、あまり積極的に聴きたいとはどうしても思えないのはどうすればいいんでしょうね?


それでもケネディ君は充分上手なのでROHでも準主役なら勤まると思うけど、このバリトンのギャリー・マギーは、どうしてここに出られるの?調子が悪いのではなさそうで、硬い声は伸びが無く、おまけに呼吸が下手なので、途中で息切れしてぶつっと切れちゃうんだもん。上手な人がひしめき合っているバリトン界なんだから、もっとましな人出して下さいよね。こいつさえ出なければ、今夜の印象もうんとちがったのに。

    


このシリーズ、来年こそは、もうワンランク上の歌手をずらっと並べて欲しいですね。

と、毎年願っているんだが・・・                               



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