今日から国会が始まりました。国会議事堂での開会宣言はエリザベス女王が行い、どんな議案が討議される予定であるかを述べます。もちろん政府が書いたものを読み上げるだけですが。
年に一度のこの伝統的な式典で、彼女はサテンのローブデコルテに白い毛皮のマントに宝石を散りばめたベルベットの王冠姿。漫画に出てくるようなキラキラの女王様スタイルそのものです。夫君エジンバラ公はたっぷりの金モールと目一杯勲章をぶら下げた凛々しい軍服姿。
金々ゴテゴテの椅子に座って、お二人揃ってすまし顔~♪ のお雛様カップルです。
次の日、二人の英国婦人が話をしています。
「メアリーさん、きんのの女王さんテレビで見たきゃー?」
「見たにきまっとるがね~、ドロシーさん。めっちゃんこおっきいダイアモンドだったで、どえりゃ~たっきゃーがね~?」
「ほらほうだわ~。 ほんでよ~、あれ見とったらー、チャールズが王さんになったときは隣にカミラが座るんかしゃんと思ってまったけど、メアリーさんどう思う?」
「ほりゃあ、えりゃーさんになってまったらなんでもやりてぁー放題にやらっせるに決まっとるで、カミラにHRH(Her Royal Highness)のテャートル付けたって王妃にしてまうだがね~」
「デャーアナさんをあんなつりゃー目にあわせといて、こっすいがね~。」
「ほんだけどよー、隣に誰もおらんとみっともにゃーしねー。ほれによー、なんもせんで遊んどったらかんでしょう?」
「ほら絶対かん!」
「結婚式からひと月以上たっとるけど、あの人んたあ今どこにおるか知っとる~? 式が終わったらちゃっとスコットランドに行ってまったけど、まんだそこにおるだかいね?」
「エーゲ海クルーズしとると新聞にきゃーてあったに」
「なっぎゃーハネムーンにいりゃーただねえ」
「遊んでばっかおったら国民が怒るのにねえ」
「私らがこんなとこで怒っとってもたーけらしいで、ういろでも食べーせん?」
「そうしよまい。紅茶も飲もみゃ~!」
「白黒抹茶あがりコーヒーゆず桜~!」
これが何弁かおわかりにならない方にヒントを差し上げます。
「面白そうだで、万博行ってちょーね!!」
地方限定にならないように、一応標準語訳を付けておきます。
「メアリーさん、昨日のテレビ見た?」
「もちろん見たわよ、ドロシーさん。すごく大きなダイアモンドだったから、とても高いんでしょうねえ?」
「そりゃそうよ。それでね、あれ見てたら、チャールズが国王になったらカミラが隣に座るのかしらと思ってしまったけど、メアリーさんどう思う?」
「そりゃ偉くなってしまったらもうやりたい放題にやるに決まっているから、カミラにHRHのタイトル(称号)を付けてあげて隣に座らせるわよ」
「ずるいわよね~。ダイアナさんをあんな辛い目にあわせたというのに。」
「だけど、隣に誰もいないというのもみっともないしね。それに、何もしないで遊んでばかりいてはいけないでしょ?」
「それは絶対いけないわ」
「結婚してから1ケ月たったけど、今あの人たちどこにいるか知ってる? 結婚式終わったらすぐにスコットランドに行ってしまったけど、まだそこにいるのかしら?」
「エーゲ海クルーズに行ってるって新聞に書いてあったけど」
「長いハネムーンなのねえ」
「遊んでばかりいたら国民が怒るのにねえ」
「私たちがこんなところで怒っていてもばからしいから、ういろでも食べない?」
「そうしましょう。紅茶も飲みましょう」