五木寛之 地図のない旅 とマリー・ラフォレ風に吹かれて、ゴキブリの歌、そして地図のない旅
初期エッセイ集三部作。
ここでも音楽についての文章がありました。
マリー・ラフォレのライヴを見ての。
「あれが彼女の特別な舞台だったのか、それとも毎晩そんな風なのか、ぼくは知らない。だが彼女の歌に色濃くつきまとっていた死のイメージに、ぼくはすっかりいかれてしまい、帰りにエトワールの近くのドラッグ・ストアで、彼女のLPレコードを何枚か買い込み、持って帰ってきた。」
「金沢の自分の部屋で、ステレオにかけてきいてみた。よくなかった。ドライ・フラワーの感じだった。ぼくがあの晩、きいたのは彼女の歌ではなかったにちがいない。それは、あの精神的に病んだ人間を思わせるマリー・ラフォレの不安な心臓の鼓動だったのだろうと思う。その音がLPレコードに録音されていないことは当然のことなのだ。」
「映画「赤と青のブルース」で見た彼女のフィーリングが気に入っていた」とも。
赤と青のブルースのサントラは以前にも取り上げています。