


岡田則夫さんと言えばレコード・コレクターズで蒐集奇談を長年連載されてきました。創刊号から読んでこられた方は皆さんご案内でしょうが。SPレコードの落語、寄席関係ではもちろんトップクラスの方。年代とジャンルは違うもののレコードを蒐集する人は気になるところ。昨年その連載されてきた中からアンソロジー的に編集された本が「SPレコード蒐集奇談」です。いやー長らく待ちましたね。編集長の寺田さんにお会いするたびに書籍化はまだですかと言ったものです。
そんな岡田さんが古書店を始められたという噂を聞きました。ネットで調べると神田神保町の片隅。いつかチャンスがあったらお店に行きお話が聞けたらとずっと思っていました。それがひょんなことから東京に行く用ができた。ポール・マッカートニーの来日だ。私にとって岡田さんはポールと同じ位の比重がある。10年ぶりの東京だ。
ところがブログで見ると営業が不定期なのか気ままなのか不在の時もあるらしいぞと。ここはアポを取って確実にしておきたい。ところがお店「いにしえ文庫」を調べたら3つの電話番号がありましたね。一文字違いとか首をひねる。始めにかけた番号では「いえ、ちがいます」と。二つ目では「現在使用されておりません」最後の番号にかけても呼び出し音は聞こえるのだが留守なのか不安がよぎる。むーアポは取れないのかぶっつけ本番か。と思っていたらついに継ながったのは2、3日後。「はい、岡田です」 20日のお昼頃に訪問を約束。これで一安心。
ポール・マッカートニーの公演に同行した従兄弟と朝から分かれて午前中は朝10時からオープンの古書センター9Fの富士レコードに直行だ。で時間前に着いたので近くの古書店の店頭をうろちょろ。開店準備で店員さんも忙しそうだ。エレベーターで9F富士レコードへ。おっと入口に岡田さんの本が平積み。見本用の一冊にサインがありました。レオン・ラッセルのシングル盤を購入。11時頃からはディスク・ユニオン神保町店で物色。買い逃していたロッド・スチュワートのSHM紙ジャケ「ネバー・ア・ダル・モーメント」が1900円。安くはないが廃盤なので定価でも買うつもりだったので早速ゲット。
さて時間はと見ると12時を少し過ぎている。時間が惜しいからコンビニでおにぎりを二つ購入。お店は書泉グランデの斜向かい側の小路を歩く。人通りが少ないのでおにぎりをほおばりながら。まだ先の方と思ってたら意外に近い。看板を目にしてあわてて少し戻ってしっかり食べ上げてから訪問。
「新潟の~です」 噂通りのやさしい笑顔で岡田さんに迎えて頂きました。(ここはせまい、から)コーヒーでも飲みに行きましょうと、初対面の私に。店を出る時は小さな紙片を貼り付けて。そこには「喫茶ベローチエにいます」と。常連さんとかゆっくり話がしたい場合はそこへ行くらしい。ドトールのような感じのお店です。
二階の席に落ち着くと早速自己紹介を。レココレ連載の昔からファンであること。私もレココレに資料や記事を書いてきた事。新潟の書店にいた事などなど今まで考え続けてきたことを思い出しながら。共通項かなと思われる話など。のぞきからくりがご縁で巻に小沢昭一さんを呼ぶ会があってヴァイオリン演歌の桜井敏雄さんが地元で公演に来た事も。山口雅也さんの短編「蒐集の鬼」は岡田さんの連載を参考にしてましたねと。さらに落語家の桂文我さんの書籍にもふれました。やはりご存知でしたね。ヤフオクのライバルでもあるらしい。私は当然岡田さんの本、「SPレコード蒐集奇談」を持参してたのでサインを頂こうとしたらお店に筆ペンがあるのでそちらでと。
お店に入ると狭い、実に狭い。机と岡田さんの椅子があるともう入れるのは2、3人位か。すれ違いはできません。左右の本棚にぎっしりと昭和の匂いがしみこんだ書籍がいっぱい。やはり落語関係の本が多い。質問したり説明を受けたり。新潟の村上市に収集旅行にこられた時の話とか。間にある新発田市に行ってないので次回は行きたいと。机の上にはパソコンが鎮座ましまして。話を続けながらも岡田さんの手は動き始めている。ヤフオクで落札された商品のようだ。書籍の梱包はよく分からないので質問したり。封筒はお住まいの埼玉の方で一枚3円とか。紙で包装して茶封筒に入れて発送。これで今まで苦情はありませんと。おっと忘れてましたが岡田さんはもちろん古物商の鑑札をお持ちなので毎日よほどの事がないかぎり古書のセリ市に参加されてるそうです。まれにSPレコードも出るそうです。私も中古レコード屋を始める時に取りましたね。
お店の様子を写真に取ろうとポーズをお願い。中で一枚、外でもお店の前にある椅子に腰掛けて一枚。ご本人いわくわざと入店しづらくしてるそうです。私のように岡田さんの正体を知ってる人は入れるでしょうが知らない人はちょっと引くでしょうね。ダンボールは山積みになっていますし勇気が必要になります。でも一歩中に入れば暖かい雰囲気が充満。居心地がいい。一時間くらいのつもりが結局3時間居座ってしまいました。常連さんに新潟の人もおられると。まもなくその方も現れお話を。新潟市の古町にお住まいだったとか。私の勤務してた(書店)北光社にも来られてたそう。30前後かなSさんは。なんと私の地元の古本屋にも顔を出したことがあるとか。広いようで狭いか。Sさん、新潟応援団と称されていました。新潟の話で盛り上がる。岡田さん、村上市に行った時食べたコンビニのおにぎりも美味しかったと。
その他にも色々楽しいお話をうかがったのですがやがて来店されるという時間の3時になりました。静岡から年配のお客様も到着。賑やかに盛り上がってるのを見て繁盛してますねと。私はこれからは上京した際にはぜひまたお邪魔しますと言って。飲めないながら夜もお付き合いしたいです。初対面なのに共通の話題でほんとに楽しいひと時を過ごしてお茶の水駅に向かいました。足取りも軽やかに。 むー、ついにお会いしたぞー!
話をしたこともなかったのですがずっと心の師匠と勝手に思っていました。関心のある方はぜひ「いにしえ文庫」まで。楽しい時間を過ごせること請け合います。岡田さんの本も販売されていますよ。次はいつ行こうかな。
