演技の構成のことはよくわからないのですが、曲に合わせてストーリーを演じるプログラムと、
曲に合わせて技を次々と見せるプログラムの2種類があるような気がします。
もちろん、ストーリーを演じる中でも技は見せなければなしませんし、
技を見せるプログラムの中にも多かれ少なかれストーリーはあると思います。
ただ、素人目にはそのように感じます。
ストーリーを演じるプログラムでは、必然的に、映画、ミュージカル、バレエ、オペラ音楽などが
良く使われている印象があります。
もともとストーリーがあるので、見ている方もイメージしやすいし、感情移入しやすいのかもしれません。
演じている方も、自分なりのストーリーを考えて表現していると思うのですが、
やはり元のストーリーを参考にしていると思います。
例としては、羽生結弦(映画「ロミオとジュリエット」)、
リプニツカヤ(映画「シンドラーのリスト」)、
鈴木明子(ミュージカル「オペラ座の怪人」)、
グレイシー・ゴールド(バレエ音楽「眠れる森の美女」)、
などなどがありましたが、
やっぱり印象的なのは町田樹のフリー、「火の鳥」でしたね。
そのほか、
「ウエストサイドストーリー」
「レ・ミゼラブル」
「ミス・サイゴン」
「エビータ」
が良く使われるような気がします。
ミュージカル映画の曲が多いですね。
話それますが、制作されたのは映画が先かミュージカルが先かもうよくわかんないです。
曲に合わせて技を見せるプログラムとしては、
真央ちゃん(ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番)、
大ちゃん(ビートルズメドレー)、
などでしょうか。
「ラプソディー・イン・ブルー」、
「交響曲第5番・運命」
「リバーダンス」もこっちかもです。
タンゴなどの曲自体に特徴が感じられる曲もこっちの部類かもです。
もちろんそれぞれにストーリーはあるだろうし、「運命」みたいに副題がついてるのもあります。
ただ映画音楽とかと比べると、誰もがすぐにわかるとか知ってるという話ではないですね。
ビートルズの曲は「歌」なので、もちろんそれぞれにストーリーがあるのですが、
はっきりと言葉で表されてるものを体の動きだけで表現するというのはやはり難しいんではないかな?と思います。
なので、歌の世界観はそれとして、音楽の中に、自分の気持ちを込めて演技してるんじゃないかな~と思ってこっちの部類にしました。
「歌」ということでは、昨日のアサガオさんのコメントのとおり、QUEENの楽曲もかなり多かったです。
こういう視点で見ると、カロリーナ・コストナーのフリーはやっぱりすごかったなと
思います。
先ほど上げた2つの音楽の、どちらにも当てはまり、どちらにも当てはまらない曲のような気がします。
「ボレロ」はバレエ音楽ですが、このバレエ自体が、純粋にこの音楽とそれに合わせた踊りを表現するものらしいので、
あまりストーリーをきいたことないからです。
しかも、旋律が2種類しかなく、最初から最後まで同じメロディーを繰り返し、
ごくごく小さな音から始まって、だんだん大きくなっていって、最後はどかーんと終る、という曲なので、
純粋にこの曲に合わせてフィギュアスケートで表現したら、
絶対体力持たないと思うんです。
さらに、この曲は、昔々のオリンピックのアイスダンスで、
芸術点を審査員全員が6.0点満点付けた(昔の採点システム)という伝説のプログラムがあり、
そういう曲を使ってくるというのは勇気がいると思うんですよね。
そういういろんな意味で難しい曲を使ってきて、彼女の世界を作り上げたというのがほんとすごいと思いました。
うまく表現できないので、皆さん是非世界選手権でご覧になってください。
彼女の柔和な顔と、長い手足がなんかミスマッチなんですけど、
彼女にしか作り出せない円熟したプログラムって感じがします(実際は年明けにプログラム変えたんですが)。