アメリカの古い金貨 | そこねハンターのブログ

アメリカの古い金貨

1933年にルーズベルトはアメリカ国民が金貨を持つことを禁止し、市中の金貨をすべて回収して溶かしてしまいました。従って1933年より前のアメリカの金貨には希少性があるからプレミアムがあり将来価値が上がる可能性があると言って、宝石商やコイン商は高値でコレクターに販売して飯の種にしてきました。

しかしこの話には少し罠がありました。近年、アメリカのコイン鑑定会社が1枚1枚昔の金貨をスラブケースに入れて鑑定番号を付すという作業を地道に何十年も繰り返した結果、世の中には1933年より前のアメリカの金貨がたくさんあり、そんなに珍しくないようだという事がわかりました。銀行へもっていかずに家に金貨を隠していたアメリカ人もいたようです。また、アメリカ国外にあったアメリカの金貨も溶かされずに残りました。或いは溶かされるために銀行に持ち込まれたものの実際には溶かされずに造幣局で保管されていて後日監査で大量にみつかったという不正みたいな事案もあったようです。いずれにしても諸事情により金貨は全部溶かされないまま結構残ったというのが真実です。

例えば1904年のアメリカの20ドル金貨は31.1gの金が含まれており状態が良いものでも大して珍しくないので45万円程度で取引されているものがあります。今、田中貴金属の金小売価格は14000円(税込)ですから地金の価値は43万円程度であり地金を買うのとほとんど変わりません。金の延べ棒を買おうとすると10%の消費税の他にバーチャージの手数料がかかります。金を買うために10%の消費税やバーチャージなどの手数料を払うのであれば、同じぐらいのプレミアムを払って120年前のアメリカの20ドル金貨のような少しでも珍しくてコレクターアイテムになりうるものを購入した方が、将来性があるのではないかと考えるのはある意味合理的ではあります。

アメリカの20ドルというのは今のドル円150円という物差しで換算すると額面で3000円です。120年前には3000円程度の額面の硬貨に40万円以上の価値がある金が使われていました。つまり120年の間に金価格は貨幣に対して120倍以上切り下がり続けました。今後の50年においても金価格が貨幣に対して切り下がり続けるのであれば20ドル金貨の価値は50年後には40万円の何倍にもなっている可能性はあります。