アンティークコインでの資産運用について | IPOセカンダリJ型株に関する考察

アンティークコインでの資産運用について

アンティークコインで資産防衛が可能なのかどうかという事について、アンティークコインで資産を運用するメリットは、

 

①需要が増えても供給が大きく増えることはなく価値が上がりやすい

②金や銀などの素材の物は鉱物や金属としての価値があり下支えとなりやすい

③匿名性がある、持ち運びしやすい

④古くなればなるほど価値が上がる

⑤歴史を手に取る楽しみ


などと言われている。デメリットもあるが流動性が低いこと、期待通りの価格で売却できるか分からないこと、何か価値を生んでいるわけではない事などがある。そもそもアンティークコインと言うのは投資対象になるのだろうか。

 

価格が上がり続ける資産というものはないから、自分が買った値段よりも必ず誰か他の人が高く買ってくれると思ったらそれは幻想だ。お金の量には限界があり、価格が上がり続けてその価格で購入できる人がいなくなったらそこが価格の限界点である。

 

あともう一つ、アンティークコインの市場は成長しているが、これが今後もずっと続くものなのかどうかは分からない。子どもの頃に切手の収集をしていた親戚がいて、昭和の頃に「見返り美人」という切手を見せられて数万円の価値があると言っていたのを記憶している。今はどうか。「見返り美人」は楽天で3000円で購入できる。結果的にこれは価値があると言われて見せられたその時が価格のピークだった。

 

子どもの頃より「見返り美人」の価値が下がった理由は分からないが、郵便の代わりに電子メールが普及して切手自体が使われなくなった。切手に興味を持つ人が少なくなり人気がなくなった、という事ではないだろうか。

 

硬貨にも同じことが言える可能性はあり、電子マネーが普及してコインを使わなくなった。子どもたちや孫たちが大人になるころに今と同じようにアンティークコインが価値を持ったものなのかどうかは良く分からない。

 

もしかしたら今が貨幣経済のピークで50年後は誰もコインに興味を持たなくなっているという可能性はあるのではないかと思う事はある。そう考えると資産運用の主力としてアンティークコインにポートフォリオの大部分を振り分けるというのは決して合理的ではないと思う。

 

ただ、将来どういう世の中になっていたとしても、その時代で多くの人が欲しがるコインと言うのが存在する事も事実であるから、長期で先読みをして先回りして買っておくというのは遊び程度であれば試してみる価値はあるのであろう。銘柄選定にあたっては以下が大事なのだと思う

 

①価格が上昇する素材で出来ていること

②ただの地金より価値があるもの

③人気があるものより人気が出るもの、将来のみんなが欲しがるもの

④何かの歴史的な背景や普遍的な意味のあるもの

 

それが何なのかは良く分からないが、私が一番信じるのは地金の価値なので金・銀・レアメタルなのだろう。最近こういう方向で取り組もうかなーと思っているのは、古代ローマやギリシャの未洗浄コイン(土から出てきたような状態の物)、インドの金貨(ソブリン、ムガール帝国、クシャン等)、日米の古銭(安くて良い物を!)という3つの方向性で行こうかと思う。

 

古代ローマやギリシャは低予算で土から発掘作業を行う感覚でブロンズコイン等を集めるのだけど、古い歴史的価値を強く信じていないので、そんなには張らずブロンズで出来るだけ低単価で集める。インドの金貨はメリハリをつけて資金を張って種類を増やしていく。日米の地金型アンティークコインも一定の流動性があるので資産防衛には良いと思う。